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story13 ページ14

指定されたホテルへと着き、視界に忍足侑士を捉える。


「お嬢さんが咲間の令嬢かいな」

「はじめまして。
咲間Aと申します」

「えらい可愛らしいお嬢さんやな。
お堅い挨拶は抜きにして、さっそく話でも始めよか」


こんな至近距離で見るのは始めて。

顔はかなり整っているけど、一応大手グループのご子息なだけあって、目が他と違う。

これは、優秀な逸材だろう。

一目見れば、それくらいわかる。


「お嬢さん、跡部に言い寄られとるんやって?」

「え?」


どんな話題を振られるかと身構えて見れば、思いもよらない名前が出て、呆けてしまった。


「そんな猫かぶらんでええよ。
俺はお嬢さんと結婚する気はないしなぁ」


そんな言葉にはっとする。

全て読まれていたか。

猫を被っても無駄だとわかった私は人がいないのをいいことに、先程まで浮かべていた薄気味悪い作り笑いを消し去った。


「ならなんで、見合いなんて来たんですか?」


あくまで冷静に、そして敬語だけは消さずに、そう告げた。


「お嬢さん目が一気に変わったなぁ。
ええ目や、ゾクゾクするわ」


感情を一ミリも感じさせない忍足侑士の笑顔。

彼は何を考えているのだろう。


「お嬢さんに興味があったんや。
あの跡部が惚れたっちゅーからな」

「あんなのただの戯れです」


そんなことの為に、私を呼びだしたの?

心の中で、叫ぶ自分を必死に抑えた。


「そうか?
俺は本気やと思うで」

「何を根拠に言ってるんですか?」


意味深な忍足侑士の言葉に眉を潜める。

この世界の人間は本当に油断できない。


すると忍足侑士は、何かを視界に捉え、フッと微笑んだ。


「まだ3分しかたってへんのに、もう来とるんが何よりの証拠や」

「え……?」


何のこと?そう思って忍足侑士を見つめると、先程までいくらか開いていた距離が拳二つほどまでに近づいていた。


「お嬢さんの髪、綺麗やな」


そう言って忍足侑士は私の髪を一束掬い取り、そこにそっとキスを落とした。

否、落とそうとした。


「忍足、そこまでだ」


突然現われた男…跡部景吾によって、阻まれたのだ。






.

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SHINO(プロフ) - 菫-sumire-さん» ありがとうございます。こんな私に憧れる要素があるか、わかりませんが、ありがたいです。本当に未熟で、読みにくい部分もあるかと思いますが、皆様に納得していただけるように頑張りたいと思います。とても温かいコメントをありがとうございました。 (2016年2月7日 13時) (レス) id: e7993006ee (このIDを非表示/違反報告)
SHINO(プロフ) - 梅田さん» ありがとうございます。キャラの特徴や性格は私なりに研究していたつもりです。なのでそう言っていただけると本当に嬉しいです。氷帝にとって跡部さんは絶対的な存在だと思うのでそれを表現できていてよかったです。素敵なコメントをありがとうございました。 (2016年2月7日 13時) (レス) id: e7993006ee (このIDを非表示/違反報告)
菫-sumire-(プロフ) - SHINOさんの小説、影から読ませていただいておりました。憧れるところなんて正直言い切れません.....他のどの作品も楽しみにしています。 (2016年2月7日 12時) (レス) id: dbfe85220f (このIDを非表示/違反報告)
梅田(プロフ) - それぞれのキャラの特徴を良く捉えた上での跡部至上主義な発言がとても好きです。とりあえずの完結、おめでとうございます。続編も楽しみにしてます。SHINOさんの作品ですから、SHINOさんのペースで進めてください。一ファンとして影ながら応援しております。 (2016年2月7日 11時) (レス) id: 78d0f2e1a4 (このIDを非表示/違反報告)
SHINO(プロフ) - ゆっきーさん» 返事がおくれてすみません!続きを楽しみにしていただけるのは、作者として本当に嬉しいです。ワクワクドキドキしていただける展開にしていきますので、よろしくお願いします。素敵なコメントをありがとうございました。がんばります! (2016年1月25日 22時) (レス) id: e7993006ee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:SHINO | 作成日時:2014年7月26日 13時

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