【テニプリ】せーの！邪道ヒロイン伝説！！

邪道ヒロイン6 ページ7

まずは机に手をついて。

ゆっくりお尻を浮かせて、立ち上がる。

そして右足を前に出して……ああ！


焦りすぎだ、自分。

落ち着け、A。


初めてー。

初めての当たり。


たかだか20円のガムだが、私にとって、1億より価値がある。



叫びたいのを必死に押さえて、足を動かした。



何故かできてる人混みを掻き分ける。


なんだ、芸能人でもいるのかな？

いや、今はそんなことはどうでもいい。




とにかく。



ガムだ！





＿_＿_＿_＿_＿パシッ



走り出そうとした瞬間、誰かに腕を掴まれた。




「……綺麗」



思わず口から漏れていた。


透けるような浅葱色の髪が宙に揺られていて、幻想的で魅入ってしまった。



本当に、綺麗な人。

真っ白な肌に誰もが釘付けになる。




彼はエンジェルかもしれないと、本気でそう思った。

お菓子の国からやってきた、妖精さんだったら尚更いい。


機会があれば、お菓子の国へつれて行ってもらおう。







＿＿＿＿＿＿＿＿ん？


よく見たら、こいつ男じゃないか！


しかもデカイ！

さらに力強い！



な、何者だ！！！




「ああ、すまない。
間違えてしまったようだ」



さっきの声の人！


高城さんと知り合いなんだ。

まぁ、類は友を呼ぶって言うしねー。



しかしまぁ、本当に綺麗な顔してんなぁ。

うん、なんだか私なんかが生きてるのが、申し訳なくなってくるよ、まじで。


冗談抜きで、本当に綺麗。

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