邪道ヒロイン28 ページ30
ヒィヒィー言いながら笑う妖精さん。
イメージが崩れて行く。
もう妖精さんとは呼べないんじゃないだろうか。
「幸村くんっ!何笑ってんだよぃ!」
トマト君が妖精さんに駆け寄った。
トマト君もどうやら慌てているようで、驚く。
妖精さん、あんた何者だ。
「いや……っぷ」
おい、こら。
てめぇ今私の顔見て笑っただろ、ああ!?
妖精さん、君は妖精さんなんかじゃない。
悪魔だ、魔王だ、大魔王だ。
「あははははっ」
「いい加減にしろや」
思わず命令口調になる私。
あまりに期待を裏切られ、拍子抜けなんですもん。
「ふっ、ごめんごめん」
瞳に溜まった涙を細い指ですくい取る、妖せ……大魔王。
悔しいが、めちゃめちゃその様に見とれちまった。
だ、だってさ、顔だけなら天下一品なんだもん!
「君、名前は?」
怪しげに微笑む大魔王は、膝に肘をついて、私を見上げた。
な、なんだ!?
まさか私に惚れたのか!?
ツンデレってやつなのか!?
「えっと、あの、私まだ貴方のこと何も知りませんし……。
あの、もう少し時間というものを掛けて、ですね……っ!」
「は?」
ごめんね、大魔王。
あんたみたいなイケメンを振るのは惜しいんだけど……。
やっぱり、順番があるじゃん?
「妄想はやめておけ」
いきなり言葉を発したのは糸目さん。
でかいし、いきなり出てきたから若干びびっちまったぜ。
ん?
妄想?
何が?
「ああ、蓮二。
この子の名前、知っているんだろう?」
私の勇気ある発言を、無視した大魔王。
振られたのが、そんなにショックだったんだろうか。
________モテる女は辛いよ。
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ナツ - 面白い、面白い、面白い、面白いぃィィィィ!読んでる途中だけどついコメントしちゃいました。 (2021年2月14日 20時) (レス) id: c58bd08887 (このIDを非表示/違反報告)
茉莉 - 夢主が羨ましいですな…。ゆっきーに受け止められるとか…。 (2015年1月21日 18時) (レス) id: 13030ae857 (このIDを非表示/違反報告)
SHINO(プロフ) - 菜月夜さん» すみませんんん!!山田って苗字私は好きです!修正します! (2015年1月15日 21時) (レス) id: e7993006ee (このIDを非表示/違反報告)
菜月夜 - あの…私の名字、山田なんです…ダサイはひどいよぉぉ←でもこの作品大好きでふファイト!…でもダサいは酷いよ← (2015年1月15日 18時) (レス) id: 3c42b54fb5 (このIDを非表示/違反報告)
SHINO(プロフ) - 茉莉さん» 面白いだなんてっ!ありがとうございます!ふ、ファン!?恐れ多いです、ほんと。けれどとても嬉しいです。ずっとそう思っていただけるよう、精一杯努めさせていただきます!コメントありがとうございました! (2014年12月31日 0時) (レス) id: e7993006ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:SHINO | 作成日時:2014年6月27日 19時