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幼馴染9 ページ9

アイツを呼んだ私を、テニス部らしき連中は、
なんだなんだと振りかえる。


チッ、めんどくさい。



舌打ちをばれないように落としてから、
茫然としているアイツにどすどすと歩み寄った。




「お前だ、妄想ハゲ」



目の前に着き、頬をびよーんっと伸ばしてやった。

フッ、ざまぁみろ。

精々恥をかけばいいさ。




「いひゃい」



頬を伸ばされたまま、“痛い”と零す精市。

周りの連中は、顔に“唖然”と書いてある。




「何してんの、A」



グイッと強引に剥がされて、睨むようにそう言われた。



「ふざけんな、腹黒」



アンタのせいだろうが。



周りの目なんかどうでもいい。

もう我慢の限界だ。




「アンタのせいで変なワカメに睨まれるし!
ストーカーじゃねぇっての!
ああ?アンタいつそんな出世したわけ?
ふざけんな!腹黒変態糞ハゲジジイ!!」



胸倉を掴んでゆさゆさと振ってやった。


はぁ、はぁと乱れた息を整えて、
目の前の奴を睨みあげる。


やはり余裕そうな顔はくずれてなくて、
ずたずたに引き裂いてやりたくなった。




「Aはどうしてここにいるんだい?」



営業スマイルをお見舞いしてきた精市は、
私の言葉は全て無視してそう言う。


はぁ、落ち着くのよA。

ここで暴れたら精市に何されるかわからない。


この笑顔は一番危険だ、やばい。



命の危機を感じて、冷や汗が背中を伝った。




「弁当」



あくまで冷静に、ズイッと弁当を突き出した。


おばさんの手作りだ、死守したんだからな。



「あ、そう言えば忘れてたね」



クスッと笑みを零す精市を見て、
本気で殺意が芽生えた。

いや、私の手にあるのが弁当じゃなければ、
間違いなく、それでこいつを殴ってた。




「精市、知り合いか?」



目を閉じた長身の男が引き気味で声をかけてきた。

きっとものすごい勇気を出したんだろう。



「俺の幼馴染」



精市はフフッと笑い、私を前に突き出した。



「あ、アンタさっきの!」



ワカメが私を指さす。

つくづく失礼な奴だ。



「指さすな、糞ワカメ」



とりあえず、早くここから去りたい。

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桃花 - ハゲた幸村を想像して爆笑しましたwww (2022年9月26日 15時) (レス) @page21 id: 8598ef157b (このIDを非表示/違反報告)
ナツ - SHINOさんの作品で面白い系は珍しいですね!ヤバイです、めっちゃ面白かったです。これからも面白い系のもの書いてほしいです。(もちろん切恋も大好きです、応援してます) (2021年2月14日 20時) (レス) id: c58bd08887 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃菊(プロフ) - すごい面白かった! (2018年6月16日 11時) (レス) id: 6763eabd01 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ(プロフ) - とても面白かったです!SHINO様の作品もっと読みたくなりました!とてもいいお話、ありがとうございました´`* (2018年2月20日 19時) (レス) id: 306c2b1b2f (このIDを非表示/違反報告)
SHINO(プロフ) - 雛罌粟さん» ありがとうございますっ!読んだ瞬間嬉しくてにやけてしまいました。笑 ひゃっはーっ!ってなりました!笑 大好きだなんて照れますね。笑笑 私も読者様愛してます!← (2015年10月19日 8時) (レス) id: e7993006ee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:SHINO | 作成日時:2014年3月2日 22時

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