検索窓
今日:10 hit、昨日:14 hit、合計:139,684 hit

幼馴染4 ページ4

「Aちゃん、沢山食べていってね!」




20代とも思える彼女は、正真正銘、精市の母親。

私は“おばさん”と呼んでいるけど、
正直おばさんとは思えない。


そのお肌のツルツルはなんですか、と問いたくなる。



「はい!頂きます!」



満面の笑みを浮かべて手を合わせた。

さぁて、頂こうか。

と1つの餃子に目をつけて箸を伸ばす。



刹那、カツッと音がした。

私の箸と誰かの箸が重なっているのだ。



振り向いてみれば、やはりほくそ笑む精市。

……絶対わざとだ。




「私が初めに狙ってたんだけど」



頬を膨らませて、精市を睨む。

おばさんの前だから、小声だけれど。



「だから何?」



片眉を上げて、意地悪く微笑む精市。

うざいうざいうざい。


キィイイイイッと叫びたいのを堪えていると、
あっさり餃子は精市の口の中へ入った。



「チッ」



餃子さんだって、私に食べられたかったに決まってる。

精市なんかに食べられて、ほんと可哀想。



「舌打ち、行儀悪いよ?」




聞こえないようにしたつもりだったのに、
どうやら精市には聞こえていたようで、
おばさんにも聞こえるくらいの声でそう言われた。


恥ずかしい、恥ずかしい。


この鬼畜!




「餃子の皮に包まれて焼かれてしまえ」



睨み上げ、そう言ってやった。

もちろん、おばさんには聞こえないように。



「普通に考えて無理だよね?
馬鹿じゃないの」




こちらをちらりとも見ずに、箸を進める精市。


やばいやばい、餃子さんがなくなってしまう。

大魔王に食いつくされてしまう。



せかせかと箸を伸ばす。

だが、精市が次々に私の箸の行く手を阻んでくる。


やっと取れると思えば、横から持っていかれ、
もう、泣きそうだ。

幼馴染5→←幼馴染3



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (430 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
214人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

桃花 - ハゲた幸村を想像して爆笑しましたwww (2022年9月26日 15時) (レス) @page21 id: 8598ef157b (このIDを非表示/違反報告)
ナツ - SHINOさんの作品で面白い系は珍しいですね!ヤバイです、めっちゃ面白かったです。これからも面白い系のもの書いてほしいです。(もちろん切恋も大好きです、応援してます) (2021年2月14日 20時) (レス) id: c58bd08887 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃菊(プロフ) - すごい面白かった! (2018年6月16日 11時) (レス) id: 6763eabd01 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ(プロフ) - とても面白かったです!SHINO様の作品もっと読みたくなりました!とてもいいお話、ありがとうございました´`* (2018年2月20日 19時) (レス) id: 306c2b1b2f (このIDを非表示/違反報告)
SHINO(プロフ) - 雛罌粟さん» ありがとうございますっ!読んだ瞬間嬉しくてにやけてしまいました。笑 ひゃっはーっ!ってなりました!笑 大好きだなんて照れますね。笑笑 私も読者様愛してます!← (2015年10月19日 8時) (レス) id: e7993006ee (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:SHINO | 作成日時:2014年3月2日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。