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幼馴染3 ページ3

あの後、散々と言葉の暴力を浴びせられ、
精神がずたぼろにされた私は、
魂が抜けたような状態で、精市のベッドに横たわっていた。




「母さんがご飯食べていくか、だって」



そんな私を覗きこむ精市は、そう告げた。


少しは責任感じろっての。
心配しろっての。




「いらない」



ふんっと顔を背けた。

私の小さなプライドが許さないのだ。


敵の家で飯を食うなど!


確かに、精市の母親はとてつもなく、
料理がうまい。

それとは対に、私の母親は料理すらしない。

ずぼらで、鈍くさい、そんな母親だ。


そんな母親のもとで育った私にとって、
精市の母親の料理は神がかってみえるのだ。



でも、ちっぽけなプライドが許せない。





「今日、餃子だけど?」


「食べる!」




……負けた。


勢いのまま振り返ると、
意地の悪い笑みを浮かべた精市がいた。




餃子が大好物な私にはプライドなんて関係ない。


食べたい、食べたい。

それだけしかないのだ。




「フフッ、じゃあ早く降りてきなよ」



急に優しそうな笑みを携えた精市は、
そのまま下へと降りていった。



「っ、」



私は、あの笑顔がどうしようもなく苦手なのだ。


顔が火照るのを無意識に感じる。

だってアイツ、顔だけはいいから。



だから、仕方ないと思う。


あんな顔で微笑まれたら、女子はいちころだ。



ああ、私は別に惚れたりしないけどね。








幼馴染の関係である為の絶対条件。


それは決して相手を好きになってはいけない。






私はこの関係が一番楽だし。

今更意識もしない。

この関係であるからこそ、餃子も食べられる。



なんて美味しい関係なんだ。



そう思ってる。

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桃花 - ハゲた幸村を想像して爆笑しましたwww (2022年9月26日 15時) (レス) @page21 id: 8598ef157b (このIDを非表示/違反報告)
ナツ - SHINOさんの作品で面白い系は珍しいですね!ヤバイです、めっちゃ面白かったです。これからも面白い系のもの書いてほしいです。(もちろん切恋も大好きです、応援してます) (2021年2月14日 20時) (レス) id: c58bd08887 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃菊(プロフ) - すごい面白かった! (2018年6月16日 11時) (レス) id: 6763eabd01 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ(プロフ) - とても面白かったです!SHINO様の作品もっと読みたくなりました!とてもいいお話、ありがとうございました´`* (2018年2月20日 19時) (レス) id: 306c2b1b2f (このIDを非表示/違反報告)
SHINO(プロフ) - 雛罌粟さん» ありがとうございますっ!読んだ瞬間嬉しくてにやけてしまいました。笑 ひゃっはーっ!ってなりました!笑 大好きだなんて照れますね。笑笑 私も読者様愛してます!← (2015年10月19日 8時) (レス) id: e7993006ee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:SHINO | 作成日時:2014年3月2日 22時

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