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幼馴染13 ページ13

「はぁ」



今日で何度目かもわからないため息を吐く。

鞄をゴソゴソとあさり、鍵を探すが見つからない。



「もうっどこ行った!」



ぐちゃぐちゃに掻きまわして探すが、
それでも見つからない。




「あ、Aちゃん」



天使の声が、聞こえた気がした。



「おばさん!」



やはり貴方でしたか、と見やる。

私の周りに天使など、彼女しかいないのだ。




「精市が熱出しちゃったんだけど、
今日どうしても外せない用があるのよ
お願い!精市の看病してくれない!?」




本日2度目のお願いですな。


うん、知ってたよ。

上手く使われてるな、って前々から思ってたよ。


さすが、精市の母親だけはあるよ。




「……わかりました」



断れるわけないじゃん。

毎度毎度お世話になってるし、
何度ご飯をご馳走してもらったことか……。



はぁ、と再びため息を吐いて、精市の元へと向かった。





結局こうなるんだよね。





「おじゃましまーす」



預かっていた鍵を借り、ゆっくりとドアを開いた。



「せーいちー?」



声を張り上げる。

返答はなく、仕方ないと階段を上った。



いつものようにノックなしで扉を開いた。




「精市?」



どすどすと踏み込み、部屋を見渡すと、
ベッドに大きな物体が。



「……」



覗きこんでみれば、やはり寝てるらしい。

ほんのりと、頬が赤く色づいていた。




「睫毛ながっ」



まじで綺麗な顔してるなー。

女だろ、女装すればいいのに。


なんだか負けた気がして、軽くベッドを蹴る。



「……っぃ!」



小指ぶつけました、はい。

奇声を上げそうになりながらも、
必死に手で口を塞ぎ、こらえた。


今日はとことんついてないな、と静かに思う。


どうせだから、と携帯を取り出し、
パシャリと写真を撮った。

あのファンの子達に売りつけたら、
いくらで買い取るだろうか。

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桃花 - ハゲた幸村を想像して爆笑しましたwww (2022年9月26日 15時) (レス) @page21 id: 8598ef157b (このIDを非表示/違反報告)
ナツ - SHINOさんの作品で面白い系は珍しいですね!ヤバイです、めっちゃ面白かったです。これからも面白い系のもの書いてほしいです。(もちろん切恋も大好きです、応援してます) (2021年2月14日 20時) (レス) id: c58bd08887 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃菊(プロフ) - すごい面白かった! (2018年6月16日 11時) (レス) id: 6763eabd01 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ(プロフ) - とても面白かったです!SHINO様の作品もっと読みたくなりました!とてもいいお話、ありがとうございました´`* (2018年2月20日 19時) (レス) id: 306c2b1b2f (このIDを非表示/違反報告)
SHINO(プロフ) - 雛罌粟さん» ありがとうございますっ!読んだ瞬間嬉しくてにやけてしまいました。笑 ひゃっはーっ!ってなりました!笑 大好きだなんて照れますね。笑笑 私も読者様愛してます!← (2015年10月19日 8時) (レス) id: e7993006ee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:SHINO | 作成日時:2014年3月2日 22時

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