幼馴染11 ページ11
今日この日、私は絶対に立海へは行かないと決めた。
今は校門へと向かって歩いているけど、
じろじろと見られていい気分じゃない。
もうほんと、消えてしまいたい。
色々考えたら、なんて事をしてしまったんだろう。
勝手にコート入って、暴言吐いて。
女子達に絶対睨まれるっ。
もしかしたら、さっきの黄色い歓声を上げていた女子達に、
嫌がらせなるものをされてしまうんじゃないだろうか。
違う学校と言っても、すぐそこなんだ。
思わず、頭を抱えた。
「君、可愛いねぇ
そこの学校の子でしょ〜」
誰、こいつ。
イラつきを隠せないまま、知らない奴を見上げた。
金髪にギラギラピアス。
中学生だろーが。
てか、髪の毛が派手すぎて顔がしょぼい。
「これから、遊ばない〜?」
語尾を伸ばしたわざとらしい口調が、
私の怒りを煽った。
「うざい、キモい、消えろ」
伸びてきた腕をパンっと払い、歩みを進める。
ちらりと横目に後ろを見れば、茫然と立ち尽くす男。
はっ、ざまぁみろ。
鼻で笑ってやり、今度こそ立海を去った。
*
「だぁあああああああ」
教室に入り、席へ着く。
そして奇声を響かせた。
「ちょっと、うるさーい」
指で耳をふさいで悪態を吐く友達の恭子は、
私の前の席に座った。
「また、幸村君?」
確信を含んだその声色。
わかってるなら、聞くなっつーの。
「アイツ本当にうざい」
「えー、めっちゃイケメンじゃん」
「そういうことじゃない!」
人は顔じゃないのだと、この子に教えてあげたい。
精市はこの学校でも有名だ。
容姿端麗。
頭脳明晰。
スポーツ万能。
初めて聞いたときは鼻で笑ったが、
確かにこの噂は嘘じゃない。
悔しいが、完璧だ。
性格以外は!
「でもさー、あの幸村君と幼馴染なんて、
アンタ相当恨まれてるんじゃない?」
「はぁ!?」
「だって、あんな完璧な男なかなかいないじゃん」
指をからませ、上目づかいにそういう恭子は、
どんだけの男をたぶらかしているんだろう。
「性格最悪だよ?」
「でも、猫かぶってるんでしょー?」
まぁ、そうだけど。
でもやっぱりアイツを好きになる奴の気が知れない。
女子を泣かせて喜ぶような奴だよ?
串刺しにされちまえってんだよ。
214人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
桃花 - ハゲた幸村を想像して爆笑しましたwww (2022年9月26日 15時) (レス) @page21 id: 8598ef157b (このIDを非表示/違反報告)
ナツ - SHINOさんの作品で面白い系は珍しいですね!ヤバイです、めっちゃ面白かったです。これからも面白い系のもの書いてほしいです。(もちろん切恋も大好きです、応援してます) (2021年2月14日 20時) (レス) id: c58bd08887 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃菊(プロフ) - すごい面白かった! (2018年6月16日 11時) (レス) id: 6763eabd01 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ(プロフ) - とても面白かったです!SHINO様の作品もっと読みたくなりました!とてもいいお話、ありがとうございました´`* (2018年2月20日 19時) (レス) id: 306c2b1b2f (このIDを非表示/違反報告)
SHINO(プロフ) - 雛罌粟さん» ありがとうございますっ!読んだ瞬間嬉しくてにやけてしまいました。笑 ひゃっはーっ!ってなりました!笑 大好きだなんて照れますね。笑笑 私も読者様愛してます!← (2015年10月19日 8時) (レス) id: e7993006ee (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:SHINO | 作成日時:2014年3月2日 22時