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幼馴染1 ページ1

「ねぇ、テスト何位だったの?」


「もちろん1位だけど」





幼馴染の精市の部屋で、お互いに睨み合う。

立海に進学しなかった私は、
何かにつけて、精市とこうして競っている。



今回は、前回のテストの成績だ。


精市に負けたくなかったが為に死に物狂いで勉強し、
見事1位を手に入れた。





「そういう精市はどうなの?」



どや顔でベッドに座っている奴を見降ろしてやり、尋ねる。

私は内心、にやけそうだった。



今回は私の勝ち……もらった。

そんな事を思うたび、口角が上がってしまう。







―――――――それなのに、




「フッ、俺が1位を取らないわけないでしょ
勉強なんかしなくても余裕だったよ」




どや顔にどや顔を返される。

沸々と沸き上がる怒りが、握った拳を大きく震わせた。




「酸素が無駄だから、息しないで」




表情には表さず、あくまで冷静に告げる。

ここで声を荒げれば、奴の思うつぼなのだ。




「それ遠まわしに死ねって言ってる?」



不気味なほど口角をあげる精市は、
全てを見据えたような瞳を携え、私を見上げた。

うざい、余裕そうな顔だから余計に。




「ああ、分かったなら今すぐ実行して」




瞼がぴくぴくと動くが、それを抑えて淡々と告げた。


感情的になっては負け。

それは幼い頃から学んできたもので、
どれだけ苛められてきたのか思い知る。





「うん、いいよ。けど100年待ってくれる?
俺がいないと皆困るから」


「100年もお前みたいな奴が生きてたら世も末」





100年も生きる気?と思わず眉を潜めた。


まぁそれよりも、俺がいないと皆が困るという発言だが、
私にとってこいつの自意識過剰は今に始まったことではなく、
どうでもいいとさえ感じる。




「フフッ、Aは素直じゃないね」



誰かこいつの口を縫ってくれ。
それか喉を引き裂いてくれても構わない。

なんでもいいから喋れないようにしてほしい。




「現実見ろ、この妄想ハゲ」



精市を上から睨みつけ、毒を吐く。


うざいうざいうざい。
そう言いたいのを必死に堪えた。




「Aも現実見たら?
俺、ハゲてないんですけど」




笑みを張り付けた精市は、立ち上がり、私を見下げる。



身長差が20センチもあり、悔しいが見上げなければいけない。

ああ、首がいたい。



「縮め、ハゲ」




どうしよう。


こいつの全てがうざい。

幼馴染2→



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桃花 - ハゲた幸村を想像して爆笑しましたwww (2022年9月26日 15時) (レス) @page21 id: 8598ef157b (このIDを非表示/違反報告)
ナツ - SHINOさんの作品で面白い系は珍しいですね!ヤバイです、めっちゃ面白かったです。これからも面白い系のもの書いてほしいです。(もちろん切恋も大好きです、応援してます) (2021年2月14日 20時) (レス) id: c58bd08887 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃菊(プロフ) - すごい面白かった! (2018年6月16日 11時) (レス) id: 6763eabd01 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ(プロフ) - とても面白かったです!SHINO様の作品もっと読みたくなりました!とてもいいお話、ありがとうございました´`* (2018年2月20日 19時) (レス) id: 306c2b1b2f (このIDを非表示/違反報告)
SHINO(プロフ) - 雛罌粟さん» ありがとうございますっ!読んだ瞬間嬉しくてにやけてしまいました。笑 ひゃっはーっ!ってなりました!笑 大好きだなんて照れますね。笑笑 私も読者様愛してます!← (2015年10月19日 8時) (レス) id: e7993006ee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:SHINO | 作成日時:2014年3月2日 22時

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