君子蘭

＊ ページ3

「何ができるの？」


私が質問をしても渉くんは手を止めずテキパキと動きながら返事をしてくれる

『えっとね、長ネギの生姜スープと根菜のさっぱりおろしポン酢がけ！
　長ネギと生姜と根菜は体を温める食材だから冷え性にいいんだってさ。』


私の知らないことに関してとても知識があって
それも私の好きなところの1つだった

心から尊敬できる


30分もかからずに料理は完成した



『はい、できたよ！
　俺もついでに一緒に食べていっていい？』


「もちろんだよ！」


ローテーブルに料理を並べてくれた


「いただきます！」



スープは長ネギが入って卵とじにしてあった
生姜の香りがふんわりして
体が温まりそう！って言う感じ


根菜は蓮根とさつまいもと人参が素揚げしてあって
それに大根おろしとポン酢がかかっていた


「うん。
　これ、好き！」


『よかった。』


そう言って微笑んで渉くんも食べ始めた


なんでもできちゃう渉くん


尊敬すると共にほんとに私なんかが彼女でいいのかなぁっていつも恐縮してしまう



そんなことを考えてたらつい横に座る渉くんをぼーっと見つめてしまっていた


『……何？笑』


私があまりにも見過ぎていたせいで渉くんが笑いながらそう言った


「は！
　ごめん。
　……渉くんってなんでもできるなーって改めて思っちゃった。」


横顔がキレイだなとも思っていたけど……
その言葉は飲み込んだ


『いやいや、そんなことないよ。』


笑いながら謙遜する渉くん


「だって仕事もできるし、料理もできるし、
　………私なんかにもこんなに優しくしてくれるし。
　ほんとに私なんかが彼女でいいのかなーって思っちゃう。笑」



冗談ぽくそう言うと


渉くんは真剣な目で私を見つめた




そんな風に見つめられるとドキ ドキが止まらなくなってしまう

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