This CRAZY loVe 2

83 F side ページ33

……断れなかった




泣きそうな顔で俺を見上げた美月を突き離せなかった



美月が待ってるからと他のみんなが気を遣って定時で上がらせてくれた


会社を出ると美月は入り口の横の壁にもたれてケータイを触っていた


『太ちゃん。』


俺に気付くとサッとケータイをしまい駆け寄ってきた


『お待たせ。』


『突然、ごめんね。』


『いや………話って？』


『あの………ここじゃちょっと。
　太ちゃんのおうち行ってもいい？』


……………なんとなく予想できた



と言うか美月が来た時点でそうかなって思った



きっとすぐに終わるような話の内容ではないだろう



『わかった。
　ちょっと1本連絡だけしていい？』


『あ。、うん。』



Aさんに謝罪のLINEをする
今日はきっともう会えない



そして俺の部屋に向かう
その間、美月は無言だった






『アイスカフェオレでいいかな？』


『あ………ガムシロないや。』


牛乳はかろうじてあったけれど
前はストックしてあったガムシロは今はもう置いていなかった


甘党の美月に出せる飲み物がなかった……


『ごめん。
　お茶くらいしかないや。』


『うん。
　大丈夫。
　ありがと。』



………………………





………………………




沈黙が2人を包む





ゆっくりと美月が口を開いた


『あの………
　太ちゃんと別れて……
　友達の紹介とか婚活アプリとかいろいろ使って婚活してたの。
　私、やっぱり結婚したいと思ってて……。』


『うん。』


美月が整理して話しやすいようにゆっくりと相槌を打つ


『いろんな人と会って、付き合うまでは行かないけど何回か会う人もできたの。
　けど………私どの人も太ちゃんと比べちゃって……
　太ちゃんだったらこう言う時こうしてくれるのになとか思っちゃったの。』


震える声でそう言った美月


『私は結婚がしたかったんじゃなくて【太ちゃんと】結婚がしたかったんだってわかったの。
　結婚なんかしなくてもただ太ちゃんといれるだけで幸せだった。』

　
『自分から別れたいって言ったのに………
　やっぱりまだ好きって自分勝手なのはわかってる。
　もう1回やり直せないかな？』



泣きそうな顔してるのに力強い目でじっと俺を見据えた



予想していたくせに思っていたよりもかなり動揺して……



何も応えられないでいた






俺は……………どうしたいのだろう

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