This CRAZY loVe 2

76 ページ26

19時過ぎに藤ヶ谷くんの部屋に着いた

部屋の電気が付いてないってことはまだ帰ってないんだ



藤ヶ谷くんに借りた鍵で部屋に入る



相変わらず部屋は整頓されていた


「お邪魔しまーす。」


返事はあるはずないけど小声でそう言ってから部屋に上がった



この時期はまだ夜だったらクーラーを付けなくても窓を開ければ十分涼しかった

窓を開けて空気の入れ替えをして

ごはんの準備を始める



確認したらごはんは炊いてあった


なのでお味噌汁だけ作れば十分だった


鍋に出汁パックを入れてお湯を沸かす


リクエストのお味噌汁はもずくとネギのお味噌汁にすることにした



コトコトと出汁が沸いてきた時


藤ヶ谷くんが帰宅した


『ただいま。』



「おかえり。」



『おかえりってなんかいいね。』



そう言ってごはんの準備をする私を後ろから抱きしめた



「こーら！
　危ないから。笑
　手、洗っておいで？」

子供を嗜めるようにそう言うと


『はーい。』


彼は素直に言うことを聞いた



手を洗い
部屋着に着替えた彼がまたキッチンに戻ってきた



「もうすぐできるからちょっと待っててね。」



『ん。』



そう言って私の横に並ぶ



「座らないの？」


『うん。ここにいる。』


すぐ横に立つから……
ほんとに子供？って思っちゃう



唐揚げを温め直してお皿に盛る
ポテトサラダはそのままでいっか

ごはんとお味噌汁もついで準備完了


「さ、食べよ？」


『うまそー。いただきます！』


パクッと唐揚げを頬張って


『うまっ！』


すぐにそう言葉を発してくれる


ふふ


美味しいって言われるって嬉しい


『Aさん、作ってくれてありがと。』


………ごはんを作るのが当たり前の毎日
ただ作っただけで感謝されるんだ



遠い昔はかずくんもそうだったな……


なんて思って無意識に比べてしまっていることを反省した


食べ終えて片付けるのも2人で一緒にした



そう言うのも忘れていた感覚ですごく新鮮だった

77→←75

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す