【stpr】組長娘と婚約者候補【な組】Part4

#140 ページ9

みんなそろそろあっちについた頃かな……。

「お嬢、どうかしましたか？」

「…篁、別に…でも、なんだか寂しいなって……」

昔はこんな寂しいなんて思うことなかったのにな。

「あいつらが居ないからじゃないでしょうか？」

「6人のこと？」

そう言うと篁は静かに頷く。

それはそうかもしれない。

「側にいたものが突然いなくなると寂しいわよね」

「いつも一緒にいたことが当たり前じゃない世界ですからね」

でもどんな世界にいてもな組は遠井系列の組でも強い方に入る。

それにあの6人はなるべく危険でない仕事に行かせてるはずだし。

でも、いなくなって初めてそれがどれだけ大切か痛感するんだよね。

もっとこうしてたら、ああしてればよかったんじゃないかってね。

「タラレバ……か」

どうか怪我はしないでほしいな。

6人は確かに強いけど不死身ではない。

今抗争してる組がな組と同じくらい強いなら6人が怪我しても可笑しくないし。

「お嬢、もう夜も遅いので」

「分かってるわ、でももう少しだけ…」

あともう少しだけ……星空を眺めていたい。

そう思っているとふわっと上着がかかる。

「風邪を引いてしまってはいけませんからね」

気を遣わせてしまったみたい。

「ねぇ、篁」

「はい？」

私はひと呼吸おいて言った。

「6人が帰ってきたらもう1回デートしてみようと思うの」

恋愛対象と見てる上でもう一度デートとしたら。

もしかしたら…そんな考えが浮かんだ。

「あの6人ならきっと2つ返事で承諾しますよ」

そんな話をして私は部屋に入った。

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