【stpr】組長娘と婚約者候補【な組】Part4

#147 ページ17

翌日のジェルとの水族館デート。

最初の距離感とはまた違う。

「水族館の中って暗いですよね〜」

「うん、人も多いし」

私がそう言うと手を差し出してくれた。

はぐれないように…てことか。

私はその手を取るとニコッと笑ってジェルは歩き出す。

「やっぱり水槽トンネルは何度通ってもこころひかれるなぁ」

「確かに真下から魚を見るなんて中々ないですもんね」

神秘的で幻想的で水がキラキラ光る。

ちなみにそんな水槽の中を見てるジェルは多くの女性の視線を集めてる。

主役の魚が主役じゃなくなってる……。

確かに立ってるだけで画になるんだよねジェルって。

背も高いし年齢より大人っぽいし。

ころんと同い年に見えない…ころんはほら…どちらかというと可愛い系だし。

大水槽の前に来るとジェルは真剣な目をしていた。

なんだろう？と思い眺めていると。

「お！発見！Aさん！あれあれ！」

「え？」

ジェルが指差す方向には何もいない岩のところ。

「なに？」

「ほら！あそこの岩！ハートに見えません？」

よく見てみるとそうも見えるかも。

「遊園地のときと同じね、あれもかしらのジンクスでしょ？」

「えぇ、ここのジンクスは」

ジェルはそう言うと私の目を見る。

「好きです、この地球上にいる誰よりも」

告白をされた。

「この岩を見つけた人がカップルである場合永遠にそのカップルは結ばれる」

それがこのジンクス。

「でも俺らは婚約者でもない…俺はそんなもんに頼りません」

「意味なんかないから？」

「はい、片思いである場合は成就するって話ですけど」

所詮はジンクスですとジェルは薄く笑う。

そんなジェルに私の心は高鳴った。

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