3.痛い時間 ページ4
「うぅッ…」
エ「おねえちゃん！」
治「もう限界だな。エリ、今度はおまえの番だ。」
男の人に抱えられてつれてもどられる。
エ「ひっ…」
「やめて…エリには手を出さないで…！！」
むりやり腕からとびおりてエリの前に立ちふさがる。
治「はぁ…そこまでしなくとも、おまえはよくやっている。その成果は妹の体で証明されてるだろ？」
今日もやってきた"痛い時間"。"ちさき"ってひと、こいつが…こいつがわたしたちを…
治「健気なことだ。そんなに妹を守りたいか？」
「…」
エ「おねえちゃん…」
せなかにぎゅうと小さな力がこもった。
目の前の男をにらむとため息をつかれる。
「！、……エリ！！」
はりつめる空気のなか、小さな少女はわたしの元から離れてった。
治「聞き分けのいい妹で助かるよ。」
「エリ…！」
エ「おねえちゃん、かえったらまた絵本よんでくれる？」
「…！」
眉をハの字にしたエリは抱かれてそのまま連れていかれた。
「…」
わたし一人じゃ、エリの負担をただへらすことしかできなかった。
それでもこうやっていつかは"限界"がくる、そうしたらエリが連れていかれてしまう。
「……寒い。」
ベッドは一人じゃ大きすぎる。
「………だれか…」
まぶたが段々重たくなってきて、……おとなしくそれを閉じた。
＿＿
＿＿＿＿
「…ねぇちゃん＿＿＿おね…＿＿ちゃん…」
その声でハッと目をさました。
「エリ…！」
エ「むぅ…絵本…」
こまった顔で絵本をつきだすエリ。
それがかわいくてつい笑ってしまった。
「っふふふ」
エ「起こしてごめんなさい…このまえの続き、どうしてもよみたくて…」
「いーの！もどったら絵本読むって言ったもんね〜！」
パチンと脇にある照明だけつけてエリに腕枕しながら今日も絵本の時間。そのままふたりで読みすすめていくと突然へやの扉が開かれた。
＿＿ガチャ
エ「っ、」ﾋﾞｸｯ
「…」
エリはわたしにしがみつく。
「よぉ、お二人さん。いつもの欲しいものリストは揃ったか？」
…世話役の人だ、欲しいものはないかと定期的にきいてくる。わたしたちの好感度をあげたいのかなんなのか。
「本がいい。」
「まーた本か、壁の本棚も埋まっちまうぜ？」
「…なんでもいいんでしょ。わたし用とエリの絵本、それと雑誌。」
「…かわいげねーな。」
そのまま男の人が出ていくとわたしたちは一息ついた。
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たんと(プロフ) - 前読んであの感想をもう一度！と思ったらやっぱり泣いてしまいました…素敵な物語をありがとうございます！ (2月12日 14時) (
レス) id: f0ade18a0c (このIDを非表示/違反報告)
赤い羽根募金ちゃま〜 - 11歳？...やべぇ、同い年だ...((((( (2022年12月1日 23時) (レス) @page24 id: 78bf642dad (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - 葵さん» コメントありがとうございます！読んでいただいて、嬉しいかぎりです！ (2022年7月22日 0時) (レス) id: 16ca5ec74a (このIDを非表示/違反報告)
葵 - なんかもう…小説家になれるんじゃないですか？それくらい感動しました！ (2021年10月20日 7時) (レス) @page50 id: 6b19049b00 (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - みづきさん» 泣いてくださったなんて、とても嬉しいです(*^^*)、コメントありがとうございました！ (2020年5月2日 23時) (レス) id: 7816ba7c93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：pino | 作成日時：2020年1月7日 12時
