17.もうだれもいないのなら ページ18
「よぅし、エリのフッカツ祝いにおねえちゃんがうさぎさんのりんご剥いちゃったぞ！」
エ「うさぎさん！りんご！」
「りんご！」
わー！とわたしたちは部屋の中で両手でハイタッチ。
エ「おいひいねぇ。」ｼｬｸｼｬｸ
「おいしいねぇ。…って、頬張りすぎだよエリ！」
皮をうまいこと残してうさぎのように切るあれ。刃物なんてもちろんふつうは握らせてもらえないから監視ありで切って持ってきた。
「もー、ほらこっち向いて。」
エ「ん、」
口周りを拭う。
と、エリがこっちを…というよりわたしの腕をじっと見てるみたいだった。
エ「そのうで…」
ん？
見てみると血が滲んでた。
ああ…そっか、ちょっと多めだったもんね今回は。
エ「…わたしのせい？」
「え、違うよ。こんなのあっちの人達の予定によるでしょ？」
エ「だってわたしが熱で寝ちゃったから…」
「この傷とエリは関係ないよ。」
納得いかない顔でうつむく。
エ「……もういいよ。」
「え？」
唐突だった。
エ「ここからにげ出せなくても、いいの。…わたしは、おねえちゃんがいてくれれば。」
「…」
エ「これ以上、おねえちゃんが傷つくの見たくないよ。」
目元にシワを寄せるエリはかなしそうだった。
「そっか…。でも、」
エ「わ…！」
「おねえちゃんは諦めませーん！」
肩を寄せてそう断言した。
「エリ…怖いことばっかりでごめんね。でもおねえちゃんは＿＿やらなきゃいけないの。」
エ「…うん…」
「ほらほら、わたしが全部たべちゃうよ？」
またエリはりんごを頬張りはじめた。
この子はこのままでもいい、なんて言うけど。
ダメなの、それじゃ。
このままじゃ、いつかきっと…あなたは壊れてしまう。
いつか"心"に限界がきちゃう、そんなの、わたしは耐えられない。
自分の右手を見つめる。
＿＿もう、だれにも頼れないなら。
「…」
そっと、目を伏せた。
＿＿＿＿＿＿＿＿
突然の作者乱入失礼します。
過去最高14位のお気に入り登録1000人越え……、
ありがとうございます！！！！
何か通知多いな〜〜って思ってたら……え、桁間違えてない？
…いつの間にこんな増えたの！！？
と、作者もびっくりスマホ顔面激突事件でした。
作者の自己満足で書き始めたものですがもうしばし付き合ってくれるとありがたいです。
たくさんのコメント、評価、登録、本当にありがとうございました！
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たんと(プロフ) - 前読んであの感想をもう一度！と思ったらやっぱり泣いてしまいました…素敵な物語をありがとうございます！ (2月12日 14時) (
レス) id: f0ade18a0c (このIDを非表示/違反報告)
赤い羽根募金ちゃま〜 - 11歳？...やべぇ、同い年だ...((((( (2022年12月1日 23時) (レス) @page24 id: 78bf642dad (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - 葵さん» コメントありがとうございます！読んでいただいて、嬉しいかぎりです！ (2022年7月22日 0時) (レス) id: 16ca5ec74a (このIDを非表示/違反報告)
葵 - なんかもう…小説家になれるんじゃないですか？それくらい感動しました！ (2021年10月20日 7時) (レス) @page50 id: 6b19049b00 (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - みづきさん» 泣いてくださったなんて、とても嬉しいです(*^^*)、コメントありがとうございました！ (2020年5月2日 23時) (レス) id: 7816ba7c93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：pino | 作成日時：2020年1月7日 12時
