86.激情 ページ39
下を向いて声をあげる。
蛍「強くなれさえすれば…！！」
まるで走馬灯のように昔の記憶が頭の中に走った。
生傷だらけで泣いている兄さん
蛍「何も失わない！！！」
どんどん衰弱していく母の姿
蛍「何も奪われない！！！」
ただそれらを唇を噛んで見ている事しか出来なかった自分が大嫌いで恨めしい。
蛍「弱者はただ受け入れることしか許されない！！」
＿＿母を追い詰め兄を傷つける。
これじゃまるで私こそアイツみたいじゃないか。
だから…、だから私は…！！
蛍「っは…！」
ハッとして顔を上げると二人とも案の定驚いている。私は眉間にしわを寄せ爪が食い込む程に左拳をまた強く握った。
蛍「私が弱かったから…力が無かったから…私は後悔したんだよ、兄さん。」
この火傷をおった日から自分を責めるのと同時に毎日毎日後悔した。
"わたしが非力だったから"
"もっと力があれば…"
蛍「父のような圧倒的な力の前では虐げられるだけだった。私は二度とご免だよ、"弱者"でいるのは。」
手の力を弱めて、はあ…と息を吐いて
いつもの無表情で兄さんと緑谷を見据える。
蛍「私の邪魔をするのなら…誰だろうと容赦しない。」
甘い考えにすがるな容赦するな。
蛍「たとえそれが…兄さんでも。」
私はそれだけ言ってその場から歩きだす。
焦「っ蛍！絶対、絶対俺がお前を救ける！絶対に諦めないからな！！」
思い出したくもない事を思い出してしまった。
蛍「…、」
眉を寄せて頭に手を当てる。
下を向いて足早に歩いていたら誰かとぶつかってしまった。
オ「おっと、」
蛍「…すみません。」
ぶつかったのはオールマイトだった。
オ「大丈夫かい？何だか顔色が悪いけど…さっき口論したような君の声が聞こえてきたし…」
さっきの私の声聞こえたんだ。
蛍「…平気です。少し…兄と下らない話をしていただけですから。」
オ「…そうか、心配だから門まで送っていこう。」
強制的に送られることに。結局門までついてきたオールマイト、夕暮れの空はオレンジ色に染まっている。
蛍「…、」
門から少し歩くも、ふと呼び止められる。
オ「轟少女、君にとって…"強さ"って何だい？」
蛍「何を…」
言ってるんだろう。
オ「君は私の友人に似ているよ。力への執着…」
蛍「…一体何なんですか。」
先程の煩わしさがまた舞い戻ってくる。
オ「力が無くてもヒーローじゃないか。」
87.力が無くてもヒーローじゃないか→←85.これは"罰"なのだと
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pino(プロフ) - 桜さん» エンデヴァーって絶対親バカだと思うんですよね…笑 (2019年7月3日 20時) (
レス) id: 7816ba7c93 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - エンデバーw親バカw (2019年7月3日 20時) (レス) id: 7bef5e0dd1 (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - 美加代さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！(TT)頑張ります！ (2019年5月6日 8時) (レス) id: 7816ba7c93 (このIDを非表示/違反報告)
美加代 - めっちゃ面白いです！もう毎日更新楽しみに待ってます！これからも応援してます！頑張って下さい！ (2019年5月6日 6時) (レス) id: 3ef79b5796 (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - 南風さん» 漢字難しい…！コメントありがとうございます！更新頑張ります！！ (2019年4月21日 19時) (レス) id: 7816ba7c93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：pino | 作成日時：2019年3月15日 16時
