FILE.8 ―side.CONAN ページ10
冷蔵庫にあったお茶を飲んで一息をつく。
一応眠っている彼の分もお茶を持って行っておこうと思い、食器棚からもう一つのコップを取り出し、自分が飲んでいたものと同じお茶を注いだ。
キッチンで食事の用意をしていた蘭は、俺がキッチンから出る時に、「そろそろ晩ご飯が出来るから、上で寝てるお父さんも起こしてきてくれる?」と頼まれ、子供らしく「はぁい」と返事をして二階に上がっていった。
先におっちゃんの部屋に入り、部屋の電気を付けておっちゃんを思い切りゆすり起こす。
薄目を開けたおっちゃんに「そろそろ晩ご飯できるって!」と伝えればすぐに目を大きく見開いて「やっとかぁ、腹減ったぜ」と言いながらベッドから這い出てきた。
おっちゃんと共に部屋の外に出て、おっちゃんが一階に降りたのを確認してから蘭の部屋に向かう。
ドアノブを回して中を除くと、途端に目に入った、深紅の瞳。
いつの間にか起きていた彼は、怯えた顔で俺を見ていた。
俺はすぐに彼に駆け寄り、色々と話しかける。
頭は痛くない?と蘭が彼の頭に巻いた包帯に触れる。
俺が触れている頭に彼も自分で触れ、自分が怪我をしていることに気付いたようだった。
彼が目覚めたことは喜ばしいが、一刻も早く蘭にこの事を伝えなければ。
俺は机の上に先ほど彼のために注いだお茶を置いて急いで階段を駆け下り蘭に知らせた。
蘭はよかった!と安堵のため息をついてから俺の後に続いて急いで蘭の部屋へと向かっていった。
扉を開けて最初に目に入ったのは、彼が頭を押さえてうずくまっている姿。
蘭はすぐに彼の元に言って背中を抱いてあげていた。
少し落ち着いたらしい彼は自分を落ち着かせてくれた蘭にお礼を言うと蘭から距離を置いた。
漸く彼から話が聴ける状態になって、彼のことを色々聞いてみて分かったことは、彼は記憶喪失になっているということ。
何故探偵事務所の前で倒れていたのかも、学校のことも、自分の名字も思い出せないようだった。
俺が彼の制服を見て、「これ、帝丹中学校の制服だね」と言っても自分のきている制服を不思議そうに眺めるだけ。
これからこの記憶喪失のAくんをどうしようか…。
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きゃんさん(プロフ) - 天狐さん» 勝手に出しゃばった上に長文失礼しました。 (2018年11月2日 22時) (レス) id: aa8d471e53 (このIDを非表示/違反報告)
きゃんさん(プロフ) - 天狐さん» 不死身と不老不死は似て非なるものですよ。不死身は死にませんが老います。不老不死は老いませんが事故や病気、殺人など故意的に死ぬ事が出来ます。まぁうろ覚えなので合っているのか分かりませんケドね(*^^*) (2018年11月2日 22時) (レス) id: aa8d471e53 (このIDを非表示/違反報告)
天狐(プロフ) - あのprologueの『不死身の不老不死』って同じこと2回繰り返してますよ。 (2018年4月29日 20時) (レス) id: 40f1b1f832 (このIDを非表示/違反報告)
死の天使 - 何か……夢主クン某異能アニメの自殺マニアさん見たい……カッコいい……! (2018年3月8日 17時) (レス) id: 691cfdecc8 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ(プロフ) - こずめさん» えぇ、もうそれ最高じゃないですか、、ッアーーーーーーってところもろ夢主と同じ反応でしたありがとうございます (2017年7月13日 12時) (レス) id: 6fbc6fe145 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こずめ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/shinkuru101/
作成日時:2017年3月7日 16時