FILE.33 ページ37
コナンくんは神妙な顔をしながら俺の方へと近付いた。
「にしても、あの鈴の音なんだったんだ?」
「へっ?」
どういうこと?コナンくんにもあの鈴の音が聞こえていたのか?ずっと俺だけだと思ってたのに
「ああ、俺も微かだが鈴の音が聞こえた」
キッド様も!?あれ!?
「あの鈴の音の直後にAの様子が可笑しくなったよな…。おいキッド、周りに誰か居なかったか?」
「いや、分かんねぇ。誰かの視線は感じたような気がするけど」
人気キャラ投票上位の2人が俺のために話し合ってくれてる…涙でそう
さっきの顔が真っ黒く塗り潰された女と男も気になるし、何処かで聞いたことあるような懐かしい声の正体も気になる。
ますます謎は深まるばかりだなぁ
俺はコナンくんの考えるポーズの様なものをとって俺の記憶を辿ってみる。
コナンくんはそんな俺の様子を暫く見て、小さくため息をついてから俺に声を掛けた。
「…おいA。そろそろ帰るぞ」
「え?」
コナンくんのその言葉に俺とキッド様の意外そうな声が重なった。
「…俺のこと、捕まえなくていいのかよ?」
ごもっともだ
キッド様に恐怖心を抱かせるくらいしつこくキッド様を追い回していたのに、今日は怪盗キッドを前にして帰るなんて。
「Aを助けてくれたからな、今日だけ特別だ」
次会ったら覚悟しておけよ、と小さくこぼしてからコナンくんは屋上から姿を消した。
「……」
キッド様はコナンくんの言葉に唖然としていた。
そういう俺もだ。
「…大切にされてるって事でいいのかな…」
少し嬉しかったり、して。
俺は小声で言ったつもりだったけど、キッド様には聞こえていたらしく俺の肩に手を乗せて少し笑って見せた。
「お前、名探偵に相当大事にされてるぜ。」
自信持て!なんてちょっとよくわからないことを言っていたけど、キッド様には随分慰められた。
いつかお礼をしないとな。
「おいAー!早く帰るぞ!」
屋上のドア越しにコナンくんの声が聞こえた。
俺はキッド様に向き直り自分の中では精一杯の笑顔を向けた。
「キッド様、ありがとう!」
キッド様もニッと白い歯を見せて笑い返してくれた。
俺はそれに満足してコナンくんの元へと足早にかけて行った。
屋上の扉がバタンとしまり、キッド様の白は完全に見えなくなる。
(またいつか会えるといいなぁ)
いや、絶対また会ってみせる!
コナンくんにくっついてれば!!
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きゃんさん(プロフ) - 天狐さん» 勝手に出しゃばった上に長文失礼しました。 (2018年11月2日 22時) (レス) id: aa8d471e53 (このIDを非表示/違反報告)
きゃんさん(プロフ) - 天狐さん» 不死身と不老不死は似て非なるものですよ。不死身は死にませんが老います。不老不死は老いませんが事故や病気、殺人など故意的に死ぬ事が出来ます。まぁうろ覚えなので合っているのか分かりませんケドね(*^^*) (2018年11月2日 22時) (レス) id: aa8d471e53 (このIDを非表示/違反報告)
天狐(プロフ) - あのprologueの『不死身の不老不死』って同じこと2回繰り返してますよ。 (2018年4月29日 20時) (レス) id: 40f1b1f832 (このIDを非表示/違反報告)
死の天使 - 何か……夢主クン某異能アニメの自殺マニアさん見たい……カッコいい……! (2018年3月8日 17時) (レス) id: 691cfdecc8 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ(プロフ) - こずめさん» えぇ、もうそれ最高じゃないですか、、ッアーーーーーーってところもろ夢主と同じ反応でしたありがとうございます (2017年7月13日 12時) (レス) id: 6fbc6fe145 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こずめ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/shinkuru101/
作成日時:2017年3月7日 16時