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ひゅうう、と耳元で風が音を鳴らす。
凄いな、もうすぐ地面に頭をぶつけて死ぬというのにまだ下があるのか。
そういえばこの鈴木財閥の建物、結構高かったからな。
人はあまりに高い所から飛び降りると落下している最中に後悔をするというけれど、やっぱり死にたがりの俺に死ぬことを後悔することは無かった。
あ、でも、一つだけ。
(記憶が無くなるとはいえ、キッド様に死体を見られるのか)
それは少し嫌だな、と思った。
俺の醜い姿。死体としてキッド様の記憶に残るなんて悲しすぎるだろう
でも、もう遅いか
(キッド様に会わせてくれてありがとう。いい人生だった!!)
心の中でそう叫んでみた。
そして両手をバッと広げる。
「っおい!」
「えっ?」
耳元で山口勝平みたいな声聞こえたの気の所為ですか気の所為ですよね遂に幻聴まで聞こえちゃいましたかそうですかぁあーー
うっすら目を開けて一番最初に飛び込んでくるのは真っ赤な血ではなく右目にモノクルをしたイケメンフェイス。
「えっ!?!?」(2回目)
俺いつの間にかキッド様に姫抱きされながらハンググライダーで空飛んでるんですけどなんで?????
俺男だぞ!姫抱きはやめろよ!!って怒るところだろうけど不覚にもきゅんとしたよ???
「おまっ、俺があとちょっと遅れてたら死ぬところだったぞ!?何考えてんだ!!!」
耳元で叫ばないで…鼓膜死ぬ………
「で、でも、俺、死んでもどうせ生き返るから、」
「そういう問題じゃねぇんだよ!自分の命を自分が一番大事にしなくてどうすんだ!」
まず「生き返るってどういう事だよ」って突っ込むところだろうに、キッド様は真剣な眼差しを俺に向けて叱っていた。
キッド様に触られている所からだんだんと熱を持っていき、俺の目頭も熱くなる。
「…ぅ、うるさい…怪盗のくせに、俺に説教なんかするなよ…」
「ああ!?…ってお前、泣いてるのか…?」
キッド様に泣いているところを見られたくなくてつい強がってしまった。
キッド様は最初は俺の言葉にまた怒って怒鳴ろうとしたけれど、俺の顔を見て泣いていることに気づき俺が安心するようになのか、優しく微笑んでくれた。
さっきも聞こえた鈴の音は今までの世界でも何度かあった為驚きはしなかったが。
あの真っ暗な世界にいた男と女は誰なのだろうか。知らない筈なのに、知っているような…だが、全身の震えが止まらなくなる程怖い存在なのだと言う事は分かった。
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きゃんさん(プロフ) - 天狐さん» 勝手に出しゃばった上に長文失礼しました。 (2018年11月2日 22時) (レス) id: aa8d471e53 (このIDを非表示/違反報告)
きゃんさん(プロフ) - 天狐さん» 不死身と不老不死は似て非なるものですよ。不死身は死にませんが老います。不老不死は老いませんが事故や病気、殺人など故意的に死ぬ事が出来ます。まぁうろ覚えなので合っているのか分かりませんケドね(*^^*) (2018年11月2日 22時) (レス) id: aa8d471e53 (このIDを非表示/違反報告)
天狐(プロフ) - あのprologueの『不死身の不老不死』って同じこと2回繰り返してますよ。 (2018年4月29日 20時) (レス) id: 40f1b1f832 (このIDを非表示/違反報告)
死の天使 - 何か……夢主クン某異能アニメの自殺マニアさん見たい……カッコいい……! (2018年3月8日 17時) (レス) id: 691cfdecc8 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ(プロフ) - こずめさん» えぇ、もうそれ最高じゃないですか、、ッアーーーーーーってところもろ夢主と同じ反応でしたありがとうございます (2017年7月13日 12時) (レス) id: 6fbc6fe145 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こずめ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/shinkuru101/
作成日時:2017年3月7日 16時