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『あーあ。君、また死んだね?』
何度も聞いている、男にしては少し高い声に俺は眉を顰める。
この声が聞こえるということは、俺はまたあの白い空間に来てしまったのか。
「また、お前か。そろそろ俺を死なせてくれないか…もう七年だぞ」
仰向けに倒れている自分の身体を無理矢理起こして周りを見渡す。真っ白すぎて、目がチカチカする。人がいる気配は全くないが、声が聞こえる方向に話しかけてみた。
『ダメだよ。これは君への罰なんだから。それに君はまだ持つべきものを探し出してない。』
「またそれか。その、持つべきものって言うのを教えてくれないか?この七年、死ぬついでに探しては見たけれど全く分からないんだ。」
『それじゃあ罰にならないだろう?』
漸く姿を現した声の主は、腕を組み少し怒ったように俺の方へとゆっくり近付いてきた。足は宙に浮いていて、背中に生えている天使特有の純白の翼はバサバサと動いている。
浮いているからよく分からないが、身長は日本人の成人男性の平均くらいだろう。いかにも天使というような、真っ白な髪を後ろで一つに纏めていて、綺麗に輝く金色の瞳。真っ白な肌。
身長的には男性なのだろうが、こいつは何分細身なので、正直男かすらも疑わしい。
前に性別を聞いたことがあったが、神様とやらには性別は関係ないらしかった。
『君はまだ死んではいけない人間なんだよ。君が持つべきものを手に入れて、知るべき事を知って貰わなければ我々も君を天に送れないんだ。』
死んで、この空間に来る度に毎回これを言われる。
別に、持つべきものも、知るべきものもどうでもいい。しにたがりの俺には、これは苦痛すぎる。
『もう!次からは私達が君を監視してないうちに電車に飛び出すのは辞めてよね!だから前回君は私達の仕事について聞いてきたんだね?』
「お前達が監視してる時は何回命を絶っても生き返るから、そうでもしないと死ねないと思って」
あきれちゃうよ!とそいつは大きなため息をついた。
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きゃんさん(プロフ) - 天狐さん» 勝手に出しゃばった上に長文失礼しました。 (2018年11月2日 22時) (レス) id: aa8d471e53 (このIDを非表示/違反報告)
きゃんさん(プロフ) - 天狐さん» 不死身と不老不死は似て非なるものですよ。不死身は死にませんが老います。不老不死は老いませんが事故や病気、殺人など故意的に死ぬ事が出来ます。まぁうろ覚えなので合っているのか分かりませんケドね(*^^*) (2018年11月2日 22時) (レス) id: aa8d471e53 (このIDを非表示/違反報告)
天狐(プロフ) - あのprologueの『不死身の不老不死』って同じこと2回繰り返してますよ。 (2018年4月29日 20時) (レス) id: 40f1b1f832 (このIDを非表示/違反報告)
死の天使 - 何か……夢主クン某異能アニメの自殺マニアさん見たい……カッコいい……! (2018年3月8日 17時) (レス) id: 691cfdecc8 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ(プロフ) - こずめさん» えぇ、もうそれ最高じゃないですか、、ッアーーーーーーってところもろ夢主と同じ反応でしたありがとうございます (2017年7月13日 12時) (レス) id: 6fbc6fe145 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こずめ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/shinkuru101/
作成日時:2017年3月7日 16時