【名探偵コナン】不老不死になっていた件について。【男主】

FILE.11 ページ14

『Aくん、おはよう！今日も一日頑張ろう！』


そんなアンパンなヒーローの元気な声で目が覚める。
ちなみに上にあるボタンを50回連続で押さないと止まらない仕組みになっている。
朝が苦手な俺にはぴったりな機能なのだが、ひとつ言わせてくれ。なぜアンパンなヒーローにしたんだ。

この家の家具用意したやつ誰だ出てこい

そんなことをうだうだ考えながら布団から這い出る。

壁にかかっている時計を見れば、現在の時刻は午前9時。

うむ、なかなかいい時間だ。

部屋に設置されているクローゼットを開けて適当に服を選ぶ。
服は結構種類が豊富なので選ぶのは楽しい。誰が服を用意してくれたのかな、センスある。

パジャマを脱ぎ、服に着替える。
その時にふと、昨日は包帯巻き変えたっけ、と思い立ち、巻き変えたような巻き変えていないような曖昧な記憶だったので一応巻き変えることにした。

部屋のタンスの中から包帯を取り出し、今まで付けていた包帯を巻き取る。

別に絶賛怪我をしているという訳ではない。

昔の傷が残ってしまっている。
首に包帯を巻いているのだって、前に首吊りをした時に残ってしまったあざを隠すため。

こんな痣を見たら、みんないい思いはしないはずだから。

新しい包帯を首からどんどん巻き付けていく。

なんだかミイラ男みたいだなぁ、なんて冗談を言ってその上から先ほど適当に選んだ服を着た。
新品って感じで触り心地がよかった。


その後冷蔵庫に入っている食材で料理し、朝食を済ませてテレビを見て、新聞読んで、と色々やっているうちにあっという間に13時。

「そろそろ行かないと」

出かける用のバッグを用意して、その中に必要なものを詰めていく。
念のためだが、包帯やガーゼ、絆創膏も持っていくことにした。

下駄箱に入っていたかっこいいスニーカーを履いて玄関を開ける。
開けた瞬間太陽の光が差し込んできて、なかなか日当たりのいい家なのだと認識できた。

家の外にでて、玄関に鍵をかける。



「いってきます」



一人は少し、寂しいかな。

FILE.12→←FILE.10

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す