キミが光 ひかりヒカル〜年の瀬編〜 2

46 Sa side 遅い帰り ページ15

(･･･ 遅い な･･･)



晩の 買い出し と 横尾さんが 出掛けてから
もうすぐ 2時間になる。
北山さんの 薬の時間も あるんだが･･･

遅くなる 晩ご飯を 気にしながら
コタツに 埋れて ずっとウトウトしている
北山さんの 様子を伺う。


疲れ切ってるだろうに
ぐっすり 深く眠ることが出来ず
浅く意識を 漂わせ
たまに うなされては 身体が ビクリと 跳ね。
また うつらうつら 浮遊する の繰り返し。


明日は オフだと 聞いている。
今夜は しっかり 眠って貰おう･･･
薬の効果に 頼って･･･。

その為にも 辛いだろうが
今は 何とか 安静を 保って欲しい。自力で。



「･･･さのっち･･･ も 起きるわ。
そろそろ 太輔も よこーさんも
帰って来る だろ？

･･･ コレ ･･･ 外して？ 太輔 心配するし･･･」


もぞもぞ と 布団から 這い出すと
腕の チューブを 右手で プラプラ揺らす。


「･･･はぁ･･･ しょうがない ですねー///
針は ･･･ 残しときますよ？」


極力 肌に触れない様に しながら
チューブを 外す。
途中 ビクリと 肩が跳ねたが 気にしない。

針の残った腕を
急いで シャツの袖で 覆い隠して
ホッとする 北山さん。


「･･･さのっち ･･･ 俺 ･･･
･･･ ･･･ へーき か な ･･･」


《平気かな》

消え入りそうな声で 呟いた 言葉。

今 北山さんの 心を占めている
一番 気になって 仕方ない事 ･･･

昨日から 苦しめられている《彼女》の
事ではなく、眠れない 自分の身体でもない。


《彼に 触れる事が 出来る のか》




「･･･ 大丈夫。 ･･･ 大丈夫 ですよ。
なんたって 藤ヶ谷さんは 北山さんにとって
《特別な人》ですからね。

余計な 心配しないで///

万が一･･･ 怖い と 北山さんが 感じても･･･
それは 気のせい･･･ 大丈夫。
藤ヶ谷さんなら･･･どんな 北山さんでも･･･
受け止めてくれますって///

今まで お二人の イチャイチャを
どれだけ 見せらせたと 思ってるんです？」


大丈夫。
何の 確証もない 希望的 言葉を 繰り返す。

どうか 大丈夫であって くれ･･･と。





ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ///♪

ガチャガチャ と 玄関の 鍵を開ける 音。

帰って 来た･･･。
横尾さん か、 藤ヶ谷さん か･･･？

急いで 玄関に 向かう。

そこには 二人。
目を赤く 腫らした 藤ヶ谷さんと
暗い 表情の 横尾さん。


「下で たまたま 渉と 一緒になって･･」



買い出しが 遅かった 訳が 分かった。

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