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【3パーセント】6 ★ ページ47

「ありがとございまっす。」

今、素で嬉しかった。
トマトは子供の頃から大好きな食べ物の一つだ。

こちらからにこにことアピールするのだけど、ホテルマンから狐耳に関しての突っ込みはまだない。

これはひょっとしたら、見えてない…?

「では私はこれで失礼します。」

そう言って、一度も不自然に俺の頭を見ずに出ていってしまった。

ぱたんと扉が閉まり、ホテルマンの気配がなくなったのを確認して、俺は再び姿見の前まで走る。

「生えてるよな…まだ。」

もしかしたら…と期待したけど、消えてしまったわけではなさそうだ。

「ホテルの人もう行っちゃった?」

そうしているうちに花山さんもバスルームから出てきて、二人で鏡に映った耳を眺める。

「どうやら見えてないっぽかった。」

「そうなの?よかったねー。」

そう言ってまた俺の狐耳にぎゅっと触れたそのとたん…。

「ひゃっ!」

なんとも言えないこそばゆさに襲われて、俺はたまらずその場にへたりこんでしまった。

「羽生くん…?」

「……。」

その絶妙な力加減がダイレクトに伝わって、経験のある、あのぞわっとした感覚が身体の中を駆け抜ける。

だ、だめだ…。これ、下半身にくる…。
花山さんが耳に触れるだけで、とってもいけない精神状態に陥ってしまうぞ…。

さっきは弱点かも?って思ったけど、それ以上に急所みたくなってる!

「お腹すいて倒れちゃった?」

不意に花山さんが、大丈夫?とそっと背中に添えた手を、思わず勢いよく振り払った。

「触んな!」

「???」

きょとんとする彼女には申し訳ないが、これはとても由々しき問題…いや、どうにもコントロールできない男のプライベートエリア…。

や、やべぇ…。下手したら、見られたくない部分をさらけ出すことになるかも…!
この状況を手っ取り早く解決するには、まず一人になって落ち着くしかない。

「そ…そろそろ帰ったら?」

「えー、まだサンドイッチ食べてないのに?」

「途中コンビニでなんか買え。」

四つん這いのまま、冷たく言い放つのだが…。

「ホテルの高級サンドイッチを一人占めする気?ずるい。」

いつもと同じくマイペースで効果はない。こいつB型か?
つか俺そんなにセコくねぇし。なんならトマト以外全部持って帰れと言いたい。

「あーっ、もう!」

「早く食べようよ。うわーすごい!美味しそう〜。」

のんきな花山さんが、心底憎らしかった。





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鹿(プロフ) - みなみさん» 触れるとか設定は、適当なんですけどね^^まあ差別化ということで。次移行なんですけど、このままでは現実の羽生さんに追いつくので、どうしようかなーと模索中です。 (2019年7月5日 16時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - おっと、何やらゆづがいつもと違って、ますます展開が楽しみです!狐耳、触りたい〜!!本人には見えているだけで触れないなんて、不思議ですね。 (2019年7月4日 13時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 狐耳にはあまり深い意味はなかろうと思います。ただ、二人を繋ぐものが何もなくなってしまうと、お話を進めにくいので、伏線のようなものでしょうか。でも、耳ついてるのを妄想しながら色々見返すという妄想観賞ができます。←! (2019年7月1日 7時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - るりさん» ついつい連続で更新してしまいました。出し惜しみは絶対王者がお気に召さないので(笑)でもみなさん注目ポイントが違ってて面白いですね(*^^*)ちなみに狐さんはもう出てきません。あっさり消えました。 (2019年7月1日 7時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - ゆなさん» 常に気になる所で終わっちゃうという(笑)後2話手前だともっと気になるかなーと思って、これでも足しておきました。たくさん更新するのは、自分が読者側だったら嬉しいからです(*^^*) (2019年7月1日 7時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鹿 | 作成日時:2019年6月21日 16時

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