【3パーセント】4 ★ ページ45
「そうじゃないけど…あ、写メ撮らせて。」
「嫌だし!」
耳の生えている部分を両手でさっと隠す。もしも写っちゃったら、それはそれでショックだ。
「じゃあちょっとぐらい触らせてよ。いいでしょ?」
「んもー…、じゃあ触るだけだぞ。」
触れたらの話だけど…と、じろりと睨みながらそっと手をどける。
そして花山さんが座ったままの俺の目の前に立って、犬や猫を撫でるみたいに両手の親指を狐耳に添えた。
「あれ?」
「ほわっ!」
すると突然、ぞわっとした感覚が、電気のように身体中に走って変な声が出た。
「え、触れるよ?」
さらに指でつまんで伸ばすように撫でるので、その感覚に戸惑いつつも、花山さんの手首を力で押さえつけた。
「なんで?え、なんでなんで??」
自分でも触れないのに、どうして花山さんには可能なんだ?!
「よーしよしよし。」
「だからペットみたいに扱うのやめろ!」
いい加減、撫でられる手を振り払う。
「でも不思議〜、どうして私には触れるのかな。」
人差し指を唇にあてて、わざとらしく俺に告げるのだが、その理由は一つしか考えられない。
「…花山さんが安倍晴明だからじゃね?」
つかこんなこと俺に言わせるな。
「やっぱり九尾は晴明に逆らえない運命なんだねー。」
やたら嬉しそうに言う姿がムカついたので、もう耳を見せないでおこうと、目隠しに使っていたタオルを頭からかぶる。
「ねぇ、もう一度触らせて。」
「やだ。」
「いいじゃない。引っ張ったらぽろっと取れるかもよ?」
それでも食い付いてくる花山Aが、俺の返事も聞かずに強引にタオルを奪った。
「あっ。」
「やっぱりかわいいよ、この耳〜。」
そしていきなり、髪と共にこねくり回すようにわしゃわしゃと撫でられる。
「やめろって〜!」
まるで晴明と九尾の力関係を現しているようだ。
「こちょこちょしてみよー。」
やられっぱなしでなんているものか!と、反撃しようとしたら、不意に花山さんの指が、狐耳の内側にある柔らかい部分に触れた。
「ひゃっ!」
その何とも言えないこそばゆい感覚に、思わず両足を閉じて身体ごと丸くなる。
な、な、な、なんだ今の!
「どうしたの?」
花山さんも何かを感じ取ったのか、興味本意に俺の顔を覗き込んでくる。
…今一気に汗が出た。
しかもこれ以上いじられると嫌な予感しかしないので、もう真剣にお断りする。
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鹿(プロフ) - みなみさん» 触れるとか設定は、適当なんですけどね^^まあ差別化ということで。次移行なんですけど、このままでは現実の羽生さんに追いつくので、どうしようかなーと模索中です。 (2019年7月5日 16時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - おっと、何やらゆづがいつもと違って、ますます展開が楽しみです!狐耳、触りたい〜!!本人には見えているだけで触れないなんて、不思議ですね。 (2019年7月4日 13時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 狐耳にはあまり深い意味はなかろうと思います。ただ、二人を繋ぐものが何もなくなってしまうと、お話を進めにくいので、伏線のようなものでしょうか。でも、耳ついてるのを妄想しながら色々見返すという妄想観賞ができます。←! (2019年7月1日 7時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - るりさん» ついつい連続で更新してしまいました。出し惜しみは絶対王者がお気に召さないので(笑)でもみなさん注目ポイントが違ってて面白いですね(*^^*)ちなみに狐さんはもう出てきません。あっさり消えました。 (2019年7月1日 7時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - ゆなさん» 常に気になる所で終わっちゃうという(笑)後2話手前だともっと気になるかなーと思って、これでも足しておきました。たくさん更新するのは、自分が読者側だったら嬉しいからです(*^^*) (2019年7月1日 7時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鹿 | 作成日時:2019年6月21日 16時