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【Tシャツ】3 ☆ ページ3

「A、空いてる方の手で背中に触れて。」

「え。」

「早く。」

お父さんの指示のもと、慌てて両手で羽生くんを挟むようにする。
もちろんTシャツの上からではなく、中に手を入れた。

「あ、だめだわ…。身体の中で、花山さんのいない方いない方へ行っちゃう。」

羽生くんがか細い声で言う。つまり今度は、私が座ってる位置の反対側に移動したということだ。

「私がもう一人いれば、挟み撃ちできるのに。」

「前からいってみるか。」

「お父さん、前からだと抱きつく感じになっちゃうからだめだよ。」

両親の前なのに、いくらなんでもそれは出来ないなと、その提案を拒否するのだけど、あきらめが悪いのかお父さんがまだ言い続ける。

「いっそのこと抱きつけば…あ、でもその場合、Aも服を脱がないとな。」

「え?!」

「だって、素手でなきゃだめなんだろう?ということは素肌同士で抱き合ってこそ、最大の効果が得られて、九尾を退治できるチャンスがくるというも…」

そこまで言って口をつぐむ。
おそらく、今自分が言ったことの意味を理解したのだろう。
正直…私もかなり引いている。

「お父さん…。」

そんな中、お母さんの低く冷たい声が、シーンとしたリビングに響いた。

「いや…!お父さんさんはただ、結果論として、そうなるであろうという過程のもとにだな…!」

「言い訳するんじゃない!」

あぁ…。また夫婦喧嘩が始まってしまった。
でも今日は羽生くんの手前、止めた方がよさそうだ。

「お父さんお母さん、やめて。お客さんの前だよ!」

羽生くんに触れていた手を離して、どんっとテーブルをグーで叩く。

すると二人が羽生くんの存在を思い出したのか、ぴたりと喧嘩をやめた。

「お、お恥ずかしい所を…。」

すみません。と両親が謝りながら席をはずす。
別室でこってりとしぼられるのかもと思いつつも、私からも謝っておく。

「ごめんね、羽生くん。」

「へ?!いや、うん。大丈夫。」

何度も頷きながら、Tシャツの裾を整えていた。





.

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鹿(プロフ) - みなみさん» 触れるとか設定は、適当なんですけどね^^まあ差別化ということで。次移行なんですけど、このままでは現実の羽生さんに追いつくので、どうしようかなーと模索中です。 (2019年7月5日 16時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - おっと、何やらゆづがいつもと違って、ますます展開が楽しみです!狐耳、触りたい〜!!本人には見えているだけで触れないなんて、不思議ですね。 (2019年7月4日 13時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 狐耳にはあまり深い意味はなかろうと思います。ただ、二人を繋ぐものが何もなくなってしまうと、お話を進めにくいので、伏線のようなものでしょうか。でも、耳ついてるのを妄想しながら色々見返すという妄想観賞ができます。←! (2019年7月1日 7時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - るりさん» ついつい連続で更新してしまいました。出し惜しみは絶対王者がお気に召さないので(笑)でもみなさん注目ポイントが違ってて面白いですね(*^^*)ちなみに狐さんはもう出てきません。あっさり消えました。 (2019年7月1日 7時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - ゆなさん» 常に気になる所で終わっちゃうという(笑)後2話手前だともっと気になるかなーと思って、これでも足しておきました。たくさん更新するのは、自分が読者側だったら嬉しいからです(*^^*) (2019年7月1日 7時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鹿 | 作成日時:2019年6月21日 16時

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