【夢の世界】1 ☆ ページ12
☆主人公サイド
良い天気だ。
もうすぐ梅雨なのが信じられないほど、今日は暑い日差しが降り注いでいる。
そんな金曜日。私は朝から毎日の日課である、神社へと続く石畳を竹ホウキで掃除しながら、今朝まどかが言っていたことを思い浮かべていた。
「今日からアイスショーかぁ…。」
幕張を皮切りに全国四都市で行われるスケートのショー。
今まで全く気にも止めてなかったけど、羽生くんがきっかけでこうして目を向けるようになったのは、意外な進歩だ。
羽生くんももちろん帰国しているのだろうけど、今回はまだ連絡がない。
「忙しいって言ってたしなぁ…。」
知らせがないのは良い知らせ。そのうちメッセージを送ってくるだろうと砂利や木の葉を掃いていると、道の向こうから赤いバイクがやって来て私の前で止まった。
「郵便でーす。」
「あ、ご苦労さま。」
いつもの郵便屋さんが私に幾つかの葉書と封筒を手渡して、すぐにお隣へと走り去る。
それを見送りつつ、どれどれ何が来たのかなと、ホウキを壁に立て掛けてチェックしていくと、一通やけにファンシーな封筒が混じっているのが目についた。
プーさん?かわいい…まどか宛かな?と表書きを見てみる。
「私にだ…。」
ちゃんと花山A様って書いてある。
こんな年不相応なもの、一体誰が送ってきたのかなと差出人を確認するために裏を向けると…。
「え、羽生くん?」
思わず封筒に顔を近づけてしまった。
そして差出人に書かれた羽生結弦という文字を何度も確かめながら、他の郵便物をひとまず置き、境内の階段に腰かける。
なぜわざわざ手紙なんだろうと思いつつも、早速プーさんの封を開けた。
「あれ?」
なにこれ。
てっきり手紙が入っているのかと思ったら、細長い印刷物が一枚出てきただけだ。
えーっと…。
その小さな文字を読もうとしたら、今度はポケットの中の携帯が鳴った。
当然手紙は後回しにして、相手を確認する。
「え!こっちも羽生くん?」
画面にはまぎれもなく手紙と同じ名前が表示されている。
私は二つを見比べつつも、慌てて通話ボタンを押した。
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鹿(プロフ) - みなみさん» 触れるとか設定は、適当なんですけどね^^まあ差別化ということで。次移行なんですけど、このままでは現実の羽生さんに追いつくので、どうしようかなーと模索中です。 (2019年7月5日 16時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - おっと、何やらゆづがいつもと違って、ますます展開が楽しみです!狐耳、触りたい〜!!本人には見えているだけで触れないなんて、不思議ですね。 (2019年7月4日 13時) (レス) id: 42f93678ff (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - みなみさん» 狐耳にはあまり深い意味はなかろうと思います。ただ、二人を繋ぐものが何もなくなってしまうと、お話を進めにくいので、伏線のようなものでしょうか。でも、耳ついてるのを妄想しながら色々見返すという妄想観賞ができます。←! (2019年7月1日 7時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - るりさん» ついつい連続で更新してしまいました。出し惜しみは絶対王者がお気に召さないので(笑)でもみなさん注目ポイントが違ってて面白いですね(*^^*)ちなみに狐さんはもう出てきません。あっさり消えました。 (2019年7月1日 7時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - ゆなさん» 常に気になる所で終わっちゃうという(笑)後2話手前だともっと気になるかなーと思って、これでも足しておきました。たくさん更新するのは、自分が読者側だったら嬉しいからです(*^^*) (2019年7月1日 7時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鹿 | 作成日時:2019年6月21日 16時