【これから】5 ★ ページ26
真凜が新しい服に身を包んだ翔をそっと寝かせると、ふと絵師の目尻が下がった。
「これはこれは…。なんとかわいらしい…。」
そうだろう。俺とAの子供なんだから、かわいいに決まってる。
「何パターンか描いてね。同じ絵もたくさん欲しいから、出来上がり次第一枚ずつお城へ届けて。」
我が子の肖像画はいつくあっても足りない。
まずは報道機関各社へ送って、次にAの国とあとは自分用と…。
唇に指をあてて、あれこれ送り先をリストアップしていると、まっちーが俺の側まで来てそっと耳打ちした。
「王子。今朝より早速、近隣諸国からお祝いの品々が届いております。」
「そうなの。早いね。」
花火の音が聞こえたのだろう。その迅速な対応に感謝すると同時に、大臣にお礼状の段取りをさせなくてはと思考を巡らす。
でも正直、今日は仕事の事は聞きたくないのが本音だ。
「明日にでも目を通しておいてください。」
「はーい。」
それがまっちーに伝わったのか、それ以上何も言ってこなかったけど。
「あのー、ゆづ王子。」
「ん？」
そんな中、真凜が上目遣いに話しかけてきた。
「来季に向けてルッツとフリップを強化したいなぁって思うんですけど、良いコーチを紹介してもらえませんか？」
「コーチ？？」
唐突だな。
普段の真凜ならこんな場所でスケートの話なんてしないのに、昨日のことがよほど身に染みたのだろうか。
でも真凜はもうすでに有能なコーチについてたはずじゃ…。
「環境を変えるのもいいんじゃないかなって。勿論国内で練習出来るのが絶対条件ですけど…。」
「環境か…。」
腕を組んで斜め上を見る。
自分のスケートに新たな武器を加えるつもりで練習したいということだろうか。
でもブライアンはちょっと違うし、かといって他のコーチとなると…。
だが、今回月の国に大敗したということは、今後何らかの対策をとらなきゃ、氷の国のスケートの未来は危ういということ。
真凜の言うとおり、新しいコーチを迎え入れることも視野に入れた方がいいかもしれない…。
「どうですか…？」
「うん、その話はまたちゃんと対応するわ。そうだな…１ヶ月以内に結論を出す。」
「ありがとうございます！」
ピンチはチャンスだ。
氷の国がスケートに一番秀でていると、他国に向けてアピールしたい。
来季は自分のことだけでなく、スケート界全体を見ていかなきゃならないなと、決意を新たにした。
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鹿(プロフ) - yuccoちゃんさん» 出産シーンはあまりリアルになり過ぎず、気を付けたのですが＾＾；羽生さんなら立ち合いそうじゃないですか？いつか本人も、親になってほしいです＾＾ (2019年6月24日 17時) (
レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - りんりさん» ありがとうございました！何度でも読んでください＾＾私も読みます！とっても長いので、時間のあるときにでも。いつでもお気軽にコメント書いてくださいね！妄想を受け止めてくださり、ありがとうございました！ (2019年6月24日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
yuccoちゃん(プロフ) - 完結おめでとうございます！とても楽しく読ませていただきましたー！やっぱりゆづは王子だよね！(´ー｀*)次の作品も楽しみにしています。出産シーンのゆづが駆けつけて来た時の表現にキュンキュンしました！(*´ `) (2019年6月23日 22時) (レス) id: f1f31ef53f (このIDを非表示/違反報告)
りんり(プロフ) - 初めまして。氷の国、ずっと楽しく読ませていただいていました。完結、おめでとうございます^^私ごとながら先日、FOIにて初めて結弦王子を生で見て、もう一度この小説を最初から読みたい気持ちに駆られています。次作も楽しみに読ませていただきますね！ (2019年6月23日 17時) (レス) id: 6a04cdba45 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 心菜さん» やっぱりその時その時に羽生さんを投影させていると、楽しいです＾＾あれもこれもまだ書いてないエピソードもありますが、ちょっと気分転換もいいかなと、ちょっと強引に終わりましたが＾＾；また何か書ければいいなと思います！ (2019年6月13日 17時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鹿
| 作成日時：2019年5月25日 9時
