ほんとは心配してる ページ33
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「やった、久しぶりだ」
そんなことを突然発して笑った界人は、私の膝の上にごろんと寝転がる。急に、膝貸して?なんて言われるから、何かと思えば。
少し抜けかけの赤色の髪の毛を撫でれば、くすぐったそうに目を細める。
「髪傷んでるでしょ」
『うん、だいぶね』
「Aは黒い時の方が好き?」
『えーっ、どうだろ。赤髪似合ってるけどね』
「それはねー、知ってんのよ」
『調子のらないの(笑)』
「あははっ、」
彼はいつも通りに見えて、私も敢えて何も触れないでいたけれど、やっぱり色々なことがあった直後というのは、心配してしまう。
頭を撫でたまま、そんなことを考えていれば、急に下から手が伸びてきて、頬に添えられる。
「ぼーっとしてる」
『ねえ、界人。無理しないでね』
「……ふふ、うん」
『私の前でまで元気でいる必要ないんだよ』
「だーいじょうぶ。元気」
『……………』
「そんな顔しないの」
『界人が決めることだから、何も言うつもりはないんだけど、』
「うん」
『いつも通りの方がいいのかなとも思うんだけど』
「うん」
『でも、めちゃくちゃ心配してるよ』
「うん、ありがとね」
『ほんとに、無理しないで』
「ははっ、2回目」
『だって、』
「大丈夫。ほら、俺よりAの方が元気ないように見えるよー?」
そう言って頬を下から掴まれる。ちょっと痛い。怒ったようなフリをして見つめれば、笑って手を離された。
「こーやって、たまに甘えさせてくれれば、それで十分」
『ん、いつでもどうぞ』
「もうちょっと柔らかくてもいいかなー、ちょっと痩せすぎじゃない?」
『そんなことないです、普通ですー』
「えー、そうかなあ」
『文句言うなら、してあげないよ?』
「うそ、やーだ(笑)」
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シカク(プロフ) - まるさん» ほんとですね……(^^; わざわざご連絡いただいて、ありがとうございます。私が書いたものではないので、機会があれば聞いてみますね。いつも読んでいただき、ありがとうございます!これからもよろしくお願いします。 (2021年12月7日 12時) (レス) id: c30e6dd602 (このIDを非表示/違反報告)
まる - お返事ありがとうございます。あまいハチミツという作品がお相手を良平さんに変えただけのようなかなり似た作品がありましたので気になってお聞きしました。シカク様の作品はどれも好きですので楽しみにしています^_^ (2021年12月7日 6時) (レス) id: 0cc1bb8b96 (このIDを非表示/違反報告)
シカク(プロフ) - まるさん» こんにちは。私が書いているものは、もしかしたら少し内容が似ているかもしれませんが、作品ページ以外にあるものは書いていませんよ(*・ω・*) (2021年12月7日 0時) (レス) id: c30e6dd602 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 他のお名前でミルクとスフレとに似た物は書かれていますか? (2021年12月6日 22時) (レス) id: 0cc1bb8b96 (このIDを非表示/違反報告)
シカク(プロフ) - 如月ヨシノ。さん» コメントありがとうございます!小説少ないですよね、自己供給してしまいました(笑)呼んでいただけてうれしいです! (2021年8月2日 23時) (レス) id: 8d6bdf9f88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シカク | 作成日時:2021年8月2日 18時