ミルクとスフレと【石川界人】

異変と先輩 ページ15

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「ほーしーちゃん」

『はあい、あ、岡本さん！』



今日現場が同じ岡本信彦さん。界人の事務所の先輩ってこともあるけれど、同じ作品に関わることも多くてよく話してくれる先輩だ。

岡本さんは少し周りを気にしたと思えば、私の隣に座って少し声を小さくして、言葉を発する。



「ね、界人くんとなんかあった？」

『え？』

「あ、俺の勘違いだったら、全然いいんだけどね？」

「なんか悩んでる？というか、考えてる？落ち込んでる？みたいな感じで」

『………たぶんなんですけど。さっき、2人で話してる時に、スタッフさんに会って。その人私の高校の時の同級生で』

「えー！そんなことあんだ！」

『そうなんですよ。それで、ですね、』

「うん？」

『………実は、昔お付き合いしていたことがあって』

「え！？」

『あ、円満に終わったというかなんというか、その方と私は何もないんですけど』

「うんうん」

『たぶん距離感が少し近かったのか、関係性を聞かれた時に、少し誤魔化して答えちゃって』

『たぶん、それを察知してこの後どうするか悩んでる、とかです、かね、』

「あーなるほどねえ。」

『私もどうやって言おうか悩んでます……』

「ははっ、お互い伺ってんだ(笑)」

『さっきは場所も普通に廊下だったので、』

「まあたしかに！でも何事もなさそう、てか、大丈夫そうだったから、安心した！」

『え！まだ何も解決してないんですけど！(笑)』



笑いながら返せば、自分たちの番が近付いてきていて。大丈夫だよー、なんて本心なのかわからない気持ちを笑いながら先輩に投げられた。





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