ミルクとスフレと【石川界人】

突然の再開 ページ14

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「星名さん、」

『あ。界人、くん。お疲れ様』

「ふっ、おつかれ」



アフレコの休憩時間、スタジオの外でカフェラテを飲みながら壁に寄りかかっていれば、聞き慣れた声で呼ばれて顔をあげる。私たちが付き合っていることを仲の良い方々は知っているが、一応仕事場では付き合う前も後も呼び方はずっと同じだ。

咄嗟に出た名前呼びに若干笑われたことには、触れないことにしよう、なんて勝手に決めていれば、ちょうど界人の背中側から、こちらに向かってスタッフさんが歩いてくる。何となく目で追っていれば、あれ、？



『おつかれさまでー、す、、え？』

「お疲れ様です。……………あ、やっぱり気付いちゃった、？」

「………ん？お疲れ様です…？」

「…お話中失礼しました。石川さんお疲れ様です。制作のアシスタントをしてます佐藤です。実は星名さんとは高校の同級生でして、」

『へへ、びっくりして声かけちゃったよ。まさか同じ業界にいるなんて』

「ばったり会う前に言わなきゃとは、思ってたんだけどな。」

『ごめんね、仕事中引き止めちゃったね』

「いやいやこちらこそ。じゃあ、僕は失礼します。」

「お疲れ様です」

『お疲れ様でーす』

「仲良かった人なの？」

『へ、あー、うんまあ。養成所通ってる時とか、をよく知ってる人で』

「……へえ、そっか」

『……戻ろっか？』

「ん、そうだね」



少し気まずくなってしまったような、雰囲気を感じつつ、とりあえず今のところは気付かないフリをして。






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