赤×桃 ページ19
それから俺は、毎日しげの家へ行った。
インターホンを何回ならしても応答はない日々。
そしたら俺は、留守電をいれるようになった。
少しでもしげが俺と会ってくれるように。
やけど、もちろん電話に出てくれることなんかなかった。
そして俺は最終手段に出た。
毎日しげの家の前で待つ。
我ながらさすがにやばすぎるなって。
でも、そうすれば1回は会える気がしたから。
そしてついに、しげと会うことができた。
桃「…しげ?」
しげの体は前よりも傷が増え、あざもできていた。
赤「鬱陶しいねん…」
桃「知ってる」
赤「はよ帰ってや」
桃「なんで。やっと会えたんやけど」
赤「俺はあいたなかった…」
桃「そんな泣きそうな顔で言われても説得力ないわアホ」
赤「…小瀧は変わらんな」
桃「お前は変わったな」
しげは俺のことを無視して家に入ろうとした。
桃「なぁなにがあったん。その傷、誰かにされたんやろ?そんなんわかんねん」
赤「…言えへん」
桃「じゃあさ、お前ほんまに俺のこと嫌い?」
赤「…嫌い」
桃「ほんまに…嫌い?」
赤「…嫌いやで」
桃「やったらもっと突き放してや…」
俺がしげのこと嫌いになれるくらい、憎めるくらい突き放してくれんと諦めれんよ。
赤「…俺さ付き合ってる人いるんや」
桃「…は?嘘…やろ…?」
赤「嘘やない。やからこういうの迷惑やねん…帰って」
桃「ほんまに…その人が好きなん?」
好きって言われて傷つくだけなのに、まだ俺のこと好きなんやないかって思ってしまう。
諦め悪いねんな。
赤「…ほんまに帰って」
桃「そうやってまた逃げるんや」
赤「これが…俺と小瀧のためやねん…お願いやから帰ってや」
しげはそういって家へ入った。
別れるのが俺としげのため、どういうことなん。
それから1か月、しげに会うことはなかった。
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作者名:・み・ | 作成日時:2019年5月22日 12時