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special sweet…gr(2) ページ50

「どうした、くたっとして」

「……あぁ、お昼間デートが」

「そんなに?俺と居るより昼に外を出歩く方が良いのか?」

お顔、ツヤツヤですね。
何ちょっとさっぱりしたみたいな顔して、こっちはくたくただよ。

「グルッペンと、お外でデートしたい」

「Aがそれが良いなら」

悪魔みたいな顔をする時とあれば、こうやって柔和な優しい笑顔を見せたりもする。
クシャクシャと私の頭を撫でると、立ち上がり大きく背伸びをすると着替えを始めた。

「動けるなら着替えろ、出かけるぞ」

「動けるけど、どこ行くの?」

「行きたいんだろ、外デート。Aが望むものは何でも叶えるぞ、俺は」

髪を掻き上げて笑う仕草に体が火照る。
いちいちカッコいいのだ、この男は。心臓に悪い。

「お買い物に映画にご飯!!」

「多いな、まあまだ15時にもならんし行けるか」

「やったあ!!」

ぴょんっとベッドから降りると、先ほど剥ぎ取られた服を抱えて脱衣所に向かう。
お化粧直して、髪も急いでセットして、洋服整えて早くお出かけしよう!!

「映画か……」

「戦争ものは無し!!」

「む…わかった。恋愛ものだろう、どうせ」

「どうせって言わないで!」

「俺以外の男にときめいてどうするつもりだ?」

「お話にときめくの!!あ〜、グルッペンにこんな風にされたいな〜とか。こんな事言われたいな〜とか」

「……え、俺に言えば叶うのに?」

心底理解できないみたいな顔で鏡越しに見つめないでください。
背中にキスする彼に向けて言う。

「言わずに叶えてほしい事もあるの」




叶えてるだろ、って言ったら怒るだろうな。
不思議なことに、ベッドから出ると分からなくなる。
女って生き物は謎が多くて俺には理解出来ない事の方が多いが、Aに関してなら分かるようになってきたつもりなんだがな。


スキップしそうな勢いで歩くAを手を引っ張って止める。
事故に遭ったらどうする、転んだらどうする、俺の大切な体に傷一つ付けてみろ。

泣くぞ、多分。

だから外は嫌なんだ、お前がこの手から離れて行ったらどうしようかと考えない日はない。

「……A」

「なに、グルッペン」

「俺から離れて行くなよ?」

不思議そうに俺を見つめるAの頰を革手袋越しに撫でると愛おしげに微笑み、俺の手を両手で握ってきた。

「ふふ、離れるわけないでしょ?私が欲しいのはグルッペンだけなんだから」

夕闇がAの顔に陰を落とす。
その危なげな笑顔に俺は一目惚れしたんだ。

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作者名:芝谷 | 作成日時:2019年11月6日 19時

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