shp…心配症彼氏(捻挫) ページ21
いつものドライブデート。
少し肌寒くなったのでデニムにブーツを履いて、上はショッピ君とお揃いで買ったライダース。
天気が良かったので少し遠出して、コスモス畑に向かった。
「綺麗〜!!」
辺り一面ピンク一色。
ちらほらと赤や白も混ざったコスモス畑を写真に収める。
「Aさん、撮りますよ」
「一緒に撮ろう?」
「ええですけど、コスモスあんま入りませんよ?」
「2人で撮りたいもん」
自撮りでは背景に入れられる限界がある。
でもショッピ君とくっ付いて撮るのが私は好きで、彼は恥ずかしがったりせず一緒に撮ってくれる。
「良ければ撮りましょうか?」
腕を一生懸命伸ばして撮っていると、年配のご夫婦が見かねて声をかけてくれた。
流石に他人に撮られるのは恥ずかしそうだったショッピ君だけど、じゃあとスマホを渡して私の腰を押す。
「せっかくやし、撮ってもらいましょうか」
「うんっ」
コスモス畑の中にちょうど人が立てる幅のスペースがあり、そこに二人で立って撮ってもらう。
「お二人も撮りましょうか?」
撮ってくれた奥さんにそう言うと、お願いしますとデジカメを渡された。
入れ替わるように私がカメラを持って撮影場所に走った時だった。
━ グキッ
思いっきりヒールで足を挫いた。
だがしかし女は負けない、ヒールで足を挫くなんて何度して来ただろうか。
ただ恥ずかしいだけなのですポーカーフェイスを決めて撮影に戻る。
めっちゃ左足首痛い。
「え、Aさん。今、足…」
「撮りまーす!!」
地味に痛いけど放っとけば治るので、さくっと撮影して奥さんにお返しした。
ご夫婦と別れると、眉間に深いシワを作ったショッピ君が腕を組んで私を見ている。
「足、大丈夫なんすか?」
「うん、ほっとけば治るよ」
「せやけどびっこ引いてるやないですか」
「挫いたからね、でも大丈夫!」
「冷やさな、それか薬局で湿布買いましょ」
え、そんなに?てかなんか怒ってる?
「大丈夫だよ、慣れっこだよ?」
「せめて俺に掴まって下さい」
「心配症だな〜、普通に歩けるしっ」
左足を庇いながらでこぼこの地面を歩くのは意外と不安定で、また転びそうになったのをショッピ君に抱き留められる。
「っぶな…」
「言うたそばから」
「ごめんなさい」
「ここでおんぶされたくなかったら、帰りに湿布貼りましょ?今すぐします?抱っこがええですか?」
「わかった!貼るから!!」
ショッピ君の湿布の貼り方が意外と粗くてちょっと泣いたのは内緒。
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作者名：芝谷
| 作成日時：2019年11月6日 19時
