【夢短編集②】 (ページ16)

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ut…心配症彼女(頭痛) ページ16

ん～、曇りか。嫌な予感するな、頭が重い。
まあでも薬飲めば大丈夫か、いつもの事だし。

「鬱、終わった?」

「ん～、あとちょっと」

パソコンに向かったままもう３時間、編集作業が終わらない。
構ってほしいけどこれだけは仕方ない。
私も楽しみにしてるし、遅れると皆んなに鬱が怒られてしまう。

「ゲームして待ってよ」

スマホでPUB○を起動して参加する。
最後まで残れば残るほど、集中していく。

「A、終わったで」

「ちょっと待ってあと3人のとこまで来たから!!」

「ばり必死やん、ん～っすきすき」

鬱が珍しく甘えてくる。
私の後ろから抱きついてきて、肩に顔を埋める。

「ちょ、邪魔」

「お前酷いな!!なんかあるやろ!!」

「あーっ!!あぁ…あぁぁ…」

「ははは、彼氏を疎かにするからやな。ざまあ」

「ゔ～っ!!」

「はいはい、お待たせしました」

鬱に抱きつくと、嬉しそうに笑って抱きしめ返してくれる。
待つのは確かに寂しい、でも待った後のこの感じは好き。
お互い、寂しかったんだなって実感する。

夕飯を食べながらテレビを観ていると、医学系番組があっていて、頭痛特集が組まれていた。
なんとなく視線が、耳が向く。

"激しい頭痛がすると言っていつもより早く眠った男性、朝起きると亡くなっていた…何故?"

恐ろしい話が飛び込んでくる。
チェック項目で自分に当て嵌めて行く。

「なん、食べへんの?」

「…お腹いっぱいかも」

ふと、自分の後頭部を撫でる。
頭痛がする、ズキズキ。心無しか吐き気もする。
どうしよう…、大丈夫、薬を飲めば治るから。

鬱の隣で眠る夜、眠気なんて全く来なくて。
夕方飲んだ筈の薬は切れ、また頭痛がしてきた。
テレビの話を思い出す。
私はこのまま、起きないかもしれない。

「…鬱ぅ」

「ん…なん、どうした?」

私の声ですぐ起きてくれた鬱が抱き寄せてくれたので、縋るようにしがみ付く。

「頭、痛い」

「お前、夕方もなんか飲んでたな。ゲームのしすぎで肩か首凝ってんちゃう?前もあったやろ」

「…あ」

そうだ、鬱を待ってる間スマホでゲームして、だからか。
原因不明と思ったけど、そういえば前もなったなとすぐ納得いった。

「それだわ、ありがと。おやすみ」

「おい!!起こしといてお前こらぁ!!」

「暑いからそっち行って」

「行きません～!ったく、何かあっても俺がおるから大丈夫やで」

「…うん」

大丈夫、その言葉に安心する。
だって、名前を呼んだだけで起きてくれたもんね。