【夢短編集②】 (ページ15)

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kn…心配症彼氏(打撲) ページ15

「シッマ、そっち持って～」

「はいよー」

私の部屋の模様替えを、彼氏のシッマに手伝ってくれる。
DIYというやつ、棚を飾ったり新しく取り付けたり。
工具を使ったり、重い物を運ぶと言ったら休みを取って来てくれた。

━ シュイーンッシュンシューンッ

「それをやりたいのは分かるけど指に刺すなよ?」

「不器用だけど電動ドリルは流石に指に刺したりしないよ」

「ほんまけぇ?危なっかしいんよなぁ…」

シッマ監督が見守る中、板と板をくっ付けるために待ちに待ったドリルを当てがう。
わあ、めっちゃウキウキする～!!

━ ドガガガガッ

「っぶな!!」

「おいいいい、せやから言うたやろ!!お前、ちゃんと持たな!!」

「こ、怖かった…」

板とドリルを不安定に持っていたせいで、派手な音を立ててネジは変な方向へ刺さり、ブレたドリルが私の手を掠めた。

「こう、ちゃんと持って」

すると後ろからシッマが覆い被さってきて、私の手にシッマの手が重なる。
顔が、すぐ近くにあって、シッマ～。

「こら、よそ見すな」

「はい!」

作業は着々と進み、両手を広げたくらいのサイズの壁掛けの棚が出来上がり、いざ取り付けをという時だった。
シッマがやるって言ったのに、煙草休憩しに行った隙に一人で取り付けようとしたのがバカだった。

━ ドンッッガッ

「ぃいっっ、ったー!!」

「どないしてん!!なんか落ちた音したぞ!!」

「ぁぁああ～っ!!」

「おい!!」

棚がね、そこそこ重たい棚がドンッて足の甲に落ちてきたんだよ。
もうね、穴が空いたと思ったし砕けたと思った。
泣きたかったけど、涙が出ないの。ビックリ。

蹲ってたら、急に抱き上げられてソファに座らされた。
バタバタとキッチンに行くシッマ。
ビニール袋に氷をガラガラとたくさん入れて、タオルに包んで持ってくる。

「…シッマ」

「大丈夫、血は出とらん。出とらんけどこれ折れてへんよな?病院…は閉まっとるかぁ。急患センターに整形とかおんのか?」

私の足に氷を当ててぶつぶつと呟くシッマ。
あー、とか、んーとか。
痛む足より、シッマにこれだけ心配をかけている事に涙が出そうになった。

「シッマ、大丈夫だよ」

頭を撫でながら言うと、シッマは泣きそうな顔をして言った。

「あかんて、歩けんくなったらどうすんねん!Aだけの体ちゃうぞ!?」

「…え」

「A、頼むから危ない事せんでくれ。俺がやるやんか」

「…うん」

ごめんね、もう一人でやらない。
今度から、二人で一緒にやるね。