【夢短編集②】 (ページ14)

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tn…心配症彼女(腹痛) ページ14

今日はトントンと久々にお外デート。
肌寒くなってきたけど、お洒落したくてワインレッドのワンピースを着たら腹壊しそうって言われた。

地元の水族館をゆっくり見て回る。
カップル、家族、友達同士でごった返す中、逸れないようにトントンがしっかり手を繋いでくれるけど、私は気持ちが先行してぐいぐい引っ張って歩いた。

「あんま急ぎなや、転ぶで」

「トントン!見て、サメ!!おっきい!!」

「サメに目が行くとこ、お前らしいわ」

「だって鯛見るとお寿司食べたくなるもん」

「やめろや!!キッズもおんねんぞ!!」

「トントン、あれ美味しそう!」

「やめろって!!」

けらけら笑いながら順路通り進み、イルカショーも見て、さあ夕飯でも行こう。

「…寿司やな」

「でしょ?」

水族館見た後に寿司屋に行くって、なんか面白い。
この辺合うのも楽しいし、同じ事考えてる気がして嬉しかったりもする。

「欲しいの言い?取ったるから」

「鯛と海老と蟹とマグロと～」

「水族館シリーズやめえや!!」

二人でひょいひょいと食べ進む。
さすがにトントンが私の倍以上食べるのでどんどん皿は積み重なって行く。
負けてらんな…ん、ん?あれ?

「…どうした?」

「…お、お腹痛い」

「は?!え、大丈夫か?」

「…う……うぅ、痛い」

お腹を手で摩り、蹲っているとトントンが背中を撫でてくれた。
とりあえず出ようと店員さんを呼んで、急ぎで会計を済ませる。

あれ?いやでも予定日じゃない。
だとしたら、寿司?え、寿司なの?

「ぐすっ……うっ」

「どうした!?泣くほど痛いんか!?」

運転しながら私の頭を撫でてくれるトントン。
違うの、痛いけど痛くて泣いてるんじゃないの。

「トントン…」

「ん?!コンビニ寄るか?」

「…死なない?」

「…は?」

「死なない?これ、アニサキス?」

「…あははははっ!!あ、笑ってもうた」

こいつぅ…治ったら叩いてやるぅ。痛いぃ。

「滅多におらんし、何かに当たったか腹風邪でも引いたんやろ。急患センター行くか?」

「えぅ…でもぉ」

「どの辺が痛い、この辺か?」

トントンが私のお腹に手を当てて摩ってくれる。
手があったかくて気持ちくて、安心してきた。

「泣かんでええて、俺がおるから。夜中でもすぐ病院連れてったるからな」

「…早く帰りたい」

「わかった、わかった」

空いた手で、家に着くまで私の頬を撫で続けてくれた。
帰ってからトントンと一緒に寝てたら治ったの。

「不思議～」

「死なない?」

「もう!真似しないで!!」