【夢短編集②】 (ページ12)

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その日の部活は雨なので、室内で主に筋トレになった。
しっかりとマネの仕事をするAを目で追いながら腹筋しとったら、コネシマ先輩が腹の上に座ってきた。

「ゔっ!!おっも…」

「おいおい、ショッピ君～!気合い足りてへんのとちゃうか～?」

「先輩と一緒にせんとってくださいよ」

「俺めっちゃ鍛えてんで」

ジャージを捲って見せる腹筋に、女子マネらが歓声を上げる。
あれに巻き込まれんのだけは嫌やな、面倒くさい。
Aも…。

「…見てへん」

「お前がな、ちゃんと俺の腹筋を見て崇めんかい!」

「いって!!」

Aは、背中を向けてタオルを畳んどった。
ちゃんと仕事するとこ、あいつのええとこやなぁ。

部活が終わってスマホを見ると、Aから先に帰るとだけ連絡が入っとった。

「…はぁ」

「あ、ショッピ君～」

「えっと、名無先輩」

大声で呼びかけてきたのはマネージャーの名無先輩で、後ろに女子を従えとった。
女子こわ。すぐ集団で来る、こわ。

「コネシマって彼女いるか知ってる?」

何か同じ事昼にも聞いたな。

「Aちゃんとショッピ君って幼馴染みなんでしょ?コネシマとも3人で帰ってるらしいし彼女いるか聞いといてってさぁ」

俺は何かとんでもない間違いをした気がする。
あとギャーギャー煩い。お前か、好きなんわ。
あーあ、お前らのせいで…あぁ、もう。

「もしかしてAちゃんも好きだから教えてくれないとか?」

「なんかコソコソお守り作ってたしね、抜け駆け?」

ええ加減にせえよ、ブス。

「彼女おるんか俺は知りませんけど本人に聞けもせんくせに人のせいにするような人を好きになるような人ちゃうやろし、Aは先輩らと違って素直やから気に入られるんすよ」

「なっ、性格悪っ!!」

「お互い様でしょ、あと先輩の好みは知ってますけど教えません」

「はぁ!?」

「あ、おったショッピ君…」

「あぁ、ちなみにAの御守りは俺のなんで。あと、Aの事それ以上悪く言うんやったら先輩でも許しませんよ?じゃ、用事あるんで失礼します」

そう言って、スポーツバッグを引っ掴んで走って行くショッピの背中を影から見送る。

「…やって、Aちゃん。今追いかけたら間に合うんちゃうか?」

「…でも」

「部活中もずーっと気にしとったみたいやで?俺が言うのもなんやけど、もう幼馴染み卒業したらどうや?」

「そ、そんなんじゃないです!!」

でも、帰ったら会いに行ってやろう。
お弁当箱、返してもらってないし。