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｢その後はそれまで以上に、無茶して、馬鹿やって、二人で楽しく過ごしたよ｡
だけどおれがドジって、結局晴明に封印されて……｡
その後はこの前話した通り｡
……どう？
智君の昔話聞いて、ニノは満足した？｣
複雑な表情のニノは、言葉を選ぶようにしておれに問いかける｡
｢初音ちゃんは…その…、智が好き…だったんだよね？
アイツ、ちゃんと気付いてたのかな…？｣
おれの話を聞いて、結局、ニノがその顔に浮かべたのは困惑｡
｢さぁ…ね｡
多くを語る人じゃないから｡
実際のとこは判んないよ｡
……それよりもニノ、『複雑』って顔してる｡
智君が初めて関わった人間が自分じゃない事に、ショック受けちゃったのかな？｣
｢べ、別に…!
そんなことないし!!｣
ははっ、判り易い否定形だな(笑)
図星を突かれてムキになってさ｡
首まで赤くして否定するとこなんて、なんつーか、カワイイもんだ｡
｢まぁ…、生きてるってことはそういうことだろ｡
消えないいろんな痣や傷を、綺麗だった体に刻んでいくことを言うんだ｡
知りたかったんだろ？
智君のコト｡｣
そう、ニノは知りたがってる｡
自分にとって大切な存在になった人のことを｡
家族なのか｡
それとも友人なのか｡
それよりもずっと奥深く
言葉にすらすることが出来ない程
大きくなった存在としてなのか｡
いずれにせよ、天涯孤独となった自分と
ずっと一緒にい続けた智君の事を
ニノはちゃんと理解したいと思ってる｡
穏やかに微笑む『大野智』の顔だけじゃなくて｡
ニノ、お前は。
その裏側も見てみたかったんだろう…？
｢でも…、本当によかったのかな……｡｣
湯呑の淵に指を滑らせながら
ニノは物憂げな薄茶に当惑の色を浮かべた｡
｢確かにオレ、智のこと全然知らないから｡
過去も知りたいって漠然と思ってたけど｡
でも…、今のハナシって、多分だけどさ｡
智にとって特別なハナシだよね？
翔さんの言う通り、智、相葉さんにも話してないんだろうなって分かるもん｡
それを、……オレが聞いちゃっても、本当によかったのかな？｣
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作者名：あさり
作成日時：2014年6月17日 23時
