21.みんなでいただきまぁす/N ページ22
｢｢｢｢いっただっきまぁーす｣｣｣｣
いやまぁ、智と相葉さんは分かる｡
人間じゃないってなんとなく分かった今でも、オレの作ったカレー食ってる現実を受け入れられる｡
｢いやぁ〜、潤も料理上手だけど、ニノも料理上手だなぁ｡
このカレー、コクがあってめちゃめちゃ美味いよ!!｣
｢カレーなんて誰が作ってもおんなじだし｣←負けず嫌い
ソコの二人!!
なんでアンタ達まで人ん家でカレー食ってんの!!
｢同じじゃないもん!
ニノのカレーが一番美味しいもん!!｣
それと智｡
アンタも雰囲気変わり過ぎ!
さっきまではとんでもない迫力だったのに｡
一番ちびっちゃい智が潤君と相葉さんの間に入ってカレー食ってると、
まるで本物のお子ちゃまみたい｡
イヤ、それとも
地球人に逆に拉致られた宇宙人？
オレはエプロンを脱ぎ捨てると、おたまで智達を順番にさしていく｡
｢そんで？
アンタ達、人が作ったカレー美味そうに食ってるのもイイですけど｡
事の顛末をちゃんとオレにも説明してくれませんかね？｣
｢へ？
はんふぉふぉふぉふぁっふぇ？｣(注：なんのことだっけ？)
覚えとけよちゃんと!
さっきお前にオレがぶつけた質問、ちゃんと覚えとけっちゅーの!!
｢だから!!
オレが櫛なんとかって姫ってハナシ!!
後でちゃんと説明するって智が言ったんだろが!!
ドアタマからオレに分かるよう、順を追って説明しやがれ!!!｣
甲高く叫んだオレに、口元をナプキンで拭いた翔さんがニッコリと微笑んだ｡
｢ニノは古事記とか、日本書紀って知ってる？｣
｢内容はあんま詳しくないけど教科書に出てくるから名前だけは…｣
｢じゃあ
｢う…ん、スサノオノミコトにやっつけられちゃう大蛇のお化けでしょ？｣
｢そう｡
さっきから出てくるって
スサノオノミコトに助けられて嫁さんにされちゃう御姫様｡
ニノはその櫛名田比売と同じ体を持って産まれてきた｡
豊かさの象徴でもある彼女の、涙、汗、血液、あらゆる体液は勿論、肉や髪の毛、骨に至るまでニノの全てがオレ達物の怪にも豊かな妖力を与えてくれる｡｣
｢だから俺、翔さんのハナシ聞いたらニノを食いたくなって抑えが利かなくなって…｣
スプーンを置いた潤君がしょんぼりと俯いた｡
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作者名：あさり
作成日時：2014年6月17日 23時
