17.君の全ては僕のもの｡ ページ18
ねぇ、何が起こってんの？
誰か教えて下さいよ!!
ホントオレの周りで一体何が起こってるんですかーーー!!
智の背からは漆黒の翼が生えて、ばさばさ音立ててるし｡
それに……
｢おまっ、ちょい待てや!!
いつからオレがお前のモンになったんだよ!!
聞いてねぇし、了承してねぇぞ!!!｣
ふにゃふにゃ笑った智が唇に指を滑らせた｡
｢ん〜、産まれた時だったかなぁ？
まだ赤ん坊だったニノを、じいさんが俺にくれるって言ったんだ｣
｢……まさかと思うけど｡
そん時もそうやって翼ばさばささせてたの？｣
｢確かねぇ、まんまるいお月さんが綺麗な夜に、ニノのこと、空飛びながら眺めてた記憶が…｣
あのジジイ……
真っ黒い翼持ってるような、ワケわかんない生き物に孫を売ったのか!!
｢違うよ〜｡
そうじゃなくてさ｡
ニノは
｢け、契約？｣
｢そ｡
今みたいにニノが物の怪に襲われたら俺が守ってあげる｡
だけどその代わり、ニノの全部は俺のモン｡｣
あのクソジジイ、やっぱりオレを売ったんじゃねぇか!!
それにさっきからどいつもこいつも、男のオレに向かって櫛なんとか姫って……
『一体どういうことんだよ!?』って智に噛みついたら、笑いながら一蹴された｡
｢だから
でもちょっと諸々説明すると長くなるからさ｡
まずはあのワンコ君と話させて？
ニノの質問はその後で答えるから｡｣
コキコキと肩を廻した智の鳶色が、潤君を真っすぐに捉えた｡
｢さーてと｡
どうしよっかなぁ｡｣
あっけらかんとした智の態度とは裏腹に
凛と空気が冴え、一瞬で場の雰囲気が張り詰めたものへと変わっていく｡
例えるならそれは、清涼な青………。
｢俺のニノに怖い思いさせて
俺のニノを泣かせて
俺のニノに怪我させて…｣
｢だーもう!!
気安く枕詞に『俺の』って使うな!!
それに擦り剥いたのはオレが勝手に番台から落ちたせいだって!!｣
今、鳥肌が立つくらい
智のことカッコよく思えたのに。
なんなのもう!!
全部オレの錯覚？
オレの抗議なんて気持ちよく無視して
んふふって柔らかく笑った智の人差し指が、
｢やっぱり潤君には、お仕置き…しなくちゃね｣
眼の前で皮肉たっぷりに笑う潤君を指差した｡
18.怖いもの知らず→←16.うちの子が一番カワユイのです｡/N
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1214人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あさり
作成日時：2014年6月17日 23時
