目指す理由 ページ14
屋上の扉を開けて、一気に吹き込んでくる冷たい風に思わず身体を引く。
「春とはいえ、夜はまだ冷えるな」
「そうだな…お、居たぞ」
ゼロの視線の先には、帽子を顔の上に置いたまま、フェンスのない屋上の縁の上で寝転がっている松田の姿。
「拳銃の取り扱いに関しての重大な違反があったが……鬼塚教官の口添えもあって、今回は不問に付すらしいよ」
「当たり前だぜ……あの世からこっちに連れ戻してやったんだからな！」
ゼロが話しかけたことで、松田はその体を起こす。
「！…んだよ、お前も居たのか」
「喧嘩されたら困るからな」
「言ってろ」と変わらない態度の松田の横から、ひょい、と塀の上に飛び乗る。
夜風が髪を揺らす。
目の前には煌々とする街が広がっていた。
「誤認逮捕だったらしいね、君のお父さん」
「萩のやつだな？オシャベリめ……」
「…ゼロも知ってたのか？」
「あ？なんだよお前も知ってんのかよ……」
「ヒロと萩原が話してるのを聞いて。ごめんな」
特に視線を向けることなく返すと、小さな舌打ちが聞こえた。
「誤認逮捕は同情するけど、あの場合……」
「ケンカを止めてれば、殺人自体怒らなかった可能性が高い……だろ？
んなこたァ分かってんだけどよ……
間違えて親父の夢をぶっ潰したのに、シレッとしてる警察が…どうにも許せねぇんだよ」
塀から飛び降り、帽子をかぶり直した松田は、Aのすぐ横に肘をつきながら、同じように街を眺める。
「それで？そんな君がなぜ警察官に？｣
「んなの決まってらーな！
ぶん殴ってこのもやもやを晴らしてぇからだよ……
警視庁のトップ……警視総監をな！」
振り返ってにっと笑う松田のその予想外すぎる答えに
「ぷっ……アハハハハハ！！」
「ふはっ…はははは！」
思わず2人して吹き出してしまった。
ゼロなんて涙目だ。
かく言う私も、思っていたよりも子供じみた理由に、どうしても込み上げる笑いを抑えられなかった。
「何がおかしいんだよ！」
「いやぁ大変だと思って！かなり出世しないと総監にお近づきになれないから！」
「案外可愛い理由だな、松田くん」
「そういうテメェらは、なんでポリ公目指してるんだよ！」
「ある人を見つける為さ…急に姿を消してしまった、とても大切な女性をね」
こちらの理由も意外だった。
「何だ女かよ？意外にチャレーなお前……
で？お前はどーなんだよ新宮」
「私？私はなぁ………」
ただの、旧友への嫌がらせだよ。
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しゃ〜け(プロフ) - 早桃さん» 早桃さん、コメントありがとうございます〜！！！面白行っていただけてもうめちゃくちゃ嬉しいです！！頑張って更新していくので、今後も是非よろしくお願いします〜！！ (2022年12月27日 1時) (
レス) id: 8454d3df8d (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - すっごい好きな作品です！面白い！これからも無理せずに更新頑張って下さいね！応援してますぅぅぅ！ (2022年12月26日 12時) (レス) @page37 id: f9af42ef58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しゃ〜け | 作成日時：2022年12月19日 2時
