思い出の本屋さん 【S.K】

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Aside


目覚めた時真っ先に驚いたのは部屋の明るさだった。白い天井、白い壁、そこに反射している外からの光。


家じゃない。ここ、病院…？
私なんで病院にいるんだっけ。


まりさんに話そうとして…もしかしてあれから！？


｢目が覚めたんですね。｣
ドアを開けて入ってきた看護師さんが私を見て言う。




｢2日間くらい眠ってたんですよ〜｣
｢え？｣


2日間？じゃあ今日は3月3日？


｢え！？3月3日！？｣
｢は、はい...｣


そんな、成さんの文学賞は？


落ち着け、落ち着け... 深呼吸して整えると、久しぶりにお腹が鳴った。


私、お腹すいてる... この感覚が久しぶりだった。


｢看護師さん、お腹すきました。｣


｢分かりました。急に沢山食べると胃がびっくりしちゃうので、少しずつ食べる量を増やしていきましょう。｣


久しぶりに食べたご飯は本当に美味しかった。と言っても、お粥とかだけど…笑


もぐもぐ


その時、再びドアが開いた。


小｢Aちゃんっ｣
増｢Aちゃん！｣

加｢Aっ！！｣


え…？


｢え、NEWSの皆さん揃ってるんですけど…幻ですか？｣


もぐもぐ


増｢そこ！？そこなの！？｣
めちゃめちゃ驚いて笑っている増田さん。

小｢Aちゃああああん本当に良かったよ〜！！｣
私を見るなり笑いながら大泣きする小山さん。


呆然と私を見つめる成さん。
…成さん。




｢あのっ、成さん｣
｢ねえ、A｣


一瞬にして沈黙が流れる。


小｢Aちゃん、俺達ちょっと出てくるから｣
｢え？｣

増｢ごゆっくり〜｣


小山さんは増田さんに背中を撫でられながら部屋を出ていった。


…


｢ごめんA。俺、Aに酷いこと言っちゃった。

俺のせいで…｣


｢違うよ｣
｢え？｣


｢うん。違うよ。成さんは何も悪くない。｣


今までのことがよみがえって頭がぼーっとする。


｢じゃあ、なんで！｣
｢悪くない！成さんは何も悪くないのっ！｣


｢A…｣
｢成さん、ごめん…｣


｢ねえっ…｣
成さんが私の頭に手をのせた。頭を撫でる成さんの手の温もりは余白堂の時と同じだ。


｢もう、全部話してよ。｣
少し涙ぐんでいる成さんの目は心なしか腫れて見えた。もしかして、今まで泣いてた…？


思わず手を撫でている成さんの腕の袖を掴む。


もう、無理にひとりにならなくていい。


そう言われてる気がした。安心した。


久しぶりに見た成さんの顔が大スター加藤シゲアキの顔と重なる。


｢じゃあ全部話す、ね｣

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