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自分が彼の隣に立つ、だなんて身の程知らずも甚だしい。ただ呪霊が見えて祓える、珍しい能力をお互い持っていただけの事なのに。私と似た唯一の人だと、自惚れた考えを持っていたことにちくりと痛む胸は正直だった。
『クスクス、』
図書室の隅から嫌な笑い声が聞こえる。視線を向けると、黒い塊がぎょろりとした目で私を見ている。なんてことは無い呪霊だ。静かに席をたち、呪霊の方へ足を向ける。黒い塊は変わらず私を見上げながら薄ら笑いを浮かべている。これも、だれかの負の感情だ。私のざわつく胸を沈めたくて、黒い塊へ手を伸ばす。伸ばした手は、私の胸を占めている自己嫌悪を上塗りするような呪いを求めている。それは呪霊を救うためでなく呪霊の意思を利用しようとする、私の初めての行動だった。
『何のために生きてるんだろうね』
『あいつ、生きてる意味ある？』
『誰もあんたなんか望んでないんだからさ、』
自分に向けられる視線が、じくじくと体を突き刺す。生きている意味。……私は、意味の無い人間。一気に頭の中に流れ込む言葉が体の中を駆け巡る。そうして、息苦しくなって短く呼吸をすると視界は一気に光に染る。図書室の隅、光の粒は小さくはらはらと消えていった。悲しさの中に混じる救われたような暖かな光は、自分の卑しい心を塗りつぶすと思っていた。けれど感じたのはぽっかりと口を開けた虚しさだった。
クーラーが効きすぎているのかもしれない。胸の奥が少しだけ冷たい。指先は僅かに震えている。
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雛形(プロフ) - hiyoriさん» hiyoriさんコメントありがとうございます！凄いと言っていただけて本当に嬉しいです…！私の場合小説を作る時はテーマを決めて大体のプロットを立ててから書き始めています。1話1話はそれに沿うように勢いで書いて推敲して、というような感じですね！ (2022年10月3日 8時) (
レス) id: 75869cdb85 (このIDを非表示/違反報告)
hiyori - 凄いです😭 どうやって小説は作るんですか？ (2022年10月2日 22時) (レス) @page5 id: 3185205e6c (このIDを非表示/違反報告)
雛形(プロフ) - アキさん» アキさんコメントありがとうございます！他の小説も読んでいただいた上にさらにコメントまで！本当にありがとうございます！嬉しすぎて転げ回ってしまいます…！不定期更新になりますがこれからも頑張りますね！ (2022年9月30日 1時) (レス) @page29 id: 75869cdb85 (このIDを非表示/違反報告)
アキ(プロフ) - 主様の書く小説どれもドストライクすぎます😭💕💕 (2022年9月23日 1時) (レス) id: 011262e667 (このIDを非表示/違反報告)
雛形(プロフ) - 春雪さん» コメントありがとうございます。見直したのですが名前変換できない部分が分からず、念の為更新したのですが現在も変換出来ない様でしたらどの文章の所か教えて頂けますでしょうか…？本当に申し訳ありません💦 (2022年7月24日 23時) (レス) @page9 id: 75869cdb85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雛形 | 作成日時：2022年1月26日 19時
