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重い鉄製の扉を開ける。びゅう、と強い風が吹き込んで周りの埃を巻き上げる。扉の先は屋上だった。
「気配はあるのに、呪霊がいない……？」
屋上に足を踏み入れるが周りには何もなかった。気配はあるのだ、けれど近づこうにも方向もぼんやりしており、玉犬もどこに行けばいいのかわかっていないようだ。足を進めて錆びたフェンスに手をかける。自分の胸の位置。これは確かに飛び降りるのも容易なものだ。下をみれば相当な高さ、そしてアスファルト。飛び降りれば命はないだろう。
「……もしかして」
ひとつ心当たりがあった。呪霊は稀に出現条件があるものがある。これはその類いのものかもしれない。だとしたら、それは。
「……A、このフェンス超えられるか」
「え？」
「たぶん呪霊がいないのは出現条件があるからだ。このフェンスの向こうに立ってみてくれ、そしたら出てくるかもしれない」
「……わかった」
「もしものために鵺は出しておく」
こくりと頷いてAは俺の隣に立つ。錆びて鉄の匂いのするフェンスに小さな手をかけた。Aは下を覗き込んで、ごくりと喉を鳴らした。この高さだ。足がすくむのは仕方がないだろう。
「……行けるか？」
ふう、と大きく息を吐き出してAはうん、と呟いた。手は僅かに震えている。それでもその手に力をいれてAはフェンスの向こうに足を踏み入れた、瞬間だった。
『オ、……チ、ルゥ？』
「……Aっ！！」
ぐわりと空間に突如現れた呪霊は大きな口を開け、そのままフェンスの向こうに立つAをパクリと飲み込んだ。
手を伸ばした、Aを飲み込んだ呪霊と俺の間のフェンスがガチャンと大きな音を立てた。呪霊は、Aを飲み込んだまま動かなかった。
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雛形(プロフ) - hiyoriさん» hiyoriさんコメントありがとうございます！凄いと言っていただけて本当に嬉しいです…！私の場合小説を作る時はテーマを決めて大体のプロットを立ててから書き始めています。1話1話はそれに沿うように勢いで書いて推敲して、というような感じですね！ (2022年10月3日 8時) (
レス) id: 75869cdb85 (このIDを非表示/違反報告)
hiyori - 凄いです😭 どうやって小説は作るんですか？ (2022年10月2日 22時) (レス) @page5 id: 3185205e6c (このIDを非表示/違反報告)
雛形(プロフ) - アキさん» アキさんコメントありがとうございます！他の小説も読んでいただいた上にさらにコメントまで！本当にありがとうございます！嬉しすぎて転げ回ってしまいます…！不定期更新になりますがこれからも頑張りますね！ (2022年9月30日 1時) (レス) @page29 id: 75869cdb85 (このIDを非表示/違反報告)
アキ(プロフ) - 主様の書く小説どれもドストライクすぎます😭💕💕 (2022年9月23日 1時) (レス) id: 011262e667 (このIDを非表示/違反報告)
雛形(プロフ) - 春雪さん» コメントありがとうございます。見直したのですが名前変換できない部分が分からず、念の為更新したのですが現在も変換出来ない様でしたらどの文章の所か教えて頂けますでしょうか…？本当に申し訳ありません💦 (2022年7月24日 23時) (レス) @page9 id: 75869cdb85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雛形 | 作成日時：2022年1月26日 19時
