可愛くねぇ奴。 (ページ44)

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「、源氏名さん！」

「？はい」

「今日…ずっと一緒にいてくれませんか」

「ずっとって……？」

そう、その目。

蕩けたような、狙いを定めたような、離したくないと言っているような、その目。

「今日はこれからずっと一緒にいてほしいんです」

「でも…お高いですよ…？」

「源氏名さんといれるなら、いくらでも出します…！」

まるで惚れたような顔で、私は首を縦に振った。

「店の者に伝えてきます」

「っ、はい…！」

「少々お待ちいただけますか？すぐに戻ります」

彼の太ももにそっと手を置いてそう伝え、静かに席を立つ。
ボーイが分厚く重厚な扉を開け、私はお礼を言いながら廊下に出た。

後ろでは重い扉が閉じた音がした。

「どうした、何かあったんか」

廊下では、腕を組んで淳太が壁に寄りかかっていた。

淳太は本当にここにいてくれていた。

「…今日、ホテル入るね」

「無理すんな、」

「無理なんてしてない。この時を待ってた。やっと、やっとここまで来た。」

「…」

「何かあったらすぐ連絡するから」

「…了解。」

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