可愛くねぇ奴。 (ページ26)

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NO.1の為の、シークレットな存在の為の、上品でゴージャスな部屋で今夜も接客をこなす。
私を指名できる特別なお客様で室内のテーブルは埋まっている。
お得意様から今夜初めて私を指名出来た人まで様々だ。

「源氏名ちゃん」
「？」
「はい、今日のプレゼント！」
「え、前回いらしてくださった時もプレゼントいただきましたのに…」
「気持ちだから、ね？もらってくれる？」
「もちろんです、ありがたくいただきます」

「源氏名」
「うん？」
「こないだ旅行したからその時のお土産」
「いいの？！わ、しかも私が好きだって昔言ったやつだ…」
「好きっしょ？」
「うん、うれしい！食べたら感想の連絡するからね！」
「おう」

来店の度に、何かしら絶対プレゼントを用意してくれるお客様も少なくない。
もちろんありがたくいただくが、テーブルを移動する時間が来て、別のお客様の接客をする際は、他のお客様からいただいたものを持ち込まないことが礼儀だ。

テーブルを移動する際に、いただいたものをボーイに預けておくこともできるが、私は自分で1回1回丁寧に裏に置きに行くようにしている。
せっかく私の為に用意をしてくれたのだから、感謝の気持ちも込めて全て責任を持って自分で置きに行く。

「源氏名さん、お時間です」
「はい」

ボーイから時間の知らせを受け、私は改めて礼を述べて席を立つ。
そして今日も、いただいたプレゼントを手に部屋を出た。

大きい個人更衣室のロッカーを開け、丁寧にプレゼントをしまう。しっかりと施錠を確認し、私は更衣室を出た。

いただくものは美味しいお菓子からブランド物のバック、化粧品、アクセサリーなど様々だ。
先程のお客様からいただいたのは某有名ブランドの時計であった。

「、あの」

とても可愛らしいデザインで、どんな服に合わせて身につけようか、なんてそんな呑気な事を考えながら歩いていた。

「____ここで働いている方ですか？」

そんな時に限って。

________あなたは現れた。

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