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『ごめんなさい！どっか痛くしました？』
申し訳なさそうに私を見る、背が高く、やけに顔の整ったその人。
淳太と同じなまりだ。
彼も関西出身なのだろうか。
「いえ、大丈夫です」
『すいません、ほんまに気付かんくて…』
「いや、勝手に閉めてしまった私も悪いですから」
扉がまあまあな勢いでぶつかったところで、私は一般的な女の子とは違う。
痛くもなんともない。
自分でも可愛くないなと思うほど。
じゃあ、と彼に軽く頭を下げて私はカウンターに続く通路を戻った。
『待って』
その声に足を止め、振り向くと、彼は何故か不思議そうな顔をしていた。
「何ですか？」
『あれ、俺に用があるんとちゃうんですか？』
「え？特にないですけど」
『え、無いんですか？』
用があるのはそっちじゃないのか
用があるから私を呼び止めたのではないのか
「ええ、特にありません」
彼が何を言いたいのか、何を考えているのかさっぱり分からない。
私はもう1度、軽く頭を下げ、カウンターに戻った。
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作者名：ash
| 作成日時：2019年3月7日 23時
