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nozomu▷▷
「のんちゃんのんちゃん!!」
『ぅわっ、びっくりした…おはよう』
「おはよう!」
朝、ぼうっと歩いていると
おはようよりも先に大吾が後ろから俺を叩いた。
『どうしたん、朝から』
「のんちゃん聞いて!」
俺を“ のんちゃん ” と呼ぶこいつは、俺の親友だ。
「昨日な、めっちゃかっこいいことがあってん!」
『お、おう…』
大きな瞳をキラッキラさせて、俺の腕を掴んでブンブン振ったと思ったら、今度はピタリと動きを止めた。
「あ、それより先にのんちゃんに秘密にしてたことあったわ…」
『え、何…怖いねんけど…』
「僕、先々週くらいからずっと同じ人にカツアゲされててん」
『………は?!』
朝からとんでもない爆弾投下。
『何で言わへんかったん!』
「だって!!……のんちゃんまで危ない目に遭うかと思って…」
『だからって、「そんでな?!」おい話を聞け、「昨日もそいつらと会ったんやけどな?!」続けるんか』
「急に現れた2人の警察の人が倒してくれてん!」
大吾は嬉しそうにそう言うが、本当にこいつは運が良かったと思う。
そのまま警察の人が見つけてくれなかったら大吾はどうなってた…?
その結果を想像するとゾッとした。
「男の人と女の人の2人組やってんけどな?まず女の人が僕を守る感じで奴らとの間に入ってくれてさ、『白昼堂々よくやったね、いくらいるの?』って!」
『うわ……かっこえぇ……』
「僕の背と変わらないくらい背が高くて、パンツスーツでな、髪サラサラで前髪長くて片方耳に掛けてるかっこいい女の人やってん」
「男の人はもっと背高くて、のんちゃんくらいあるかなぁ…、短髪で強くて僕だけじゃなくて女の刑事さんも守ってる感じがしてめちゃくちゃかっこよかった!!」
大吾の言う女の刑事さんが、何だかすごくAさんと重なった。
普通の公務員って言ってたけど警察も似合うなぁ…
Aさんが警察手帳出すとかかっこよすぎるやろ
「僕、聞いたの。女の刑事さんに、絡まれてる僕のところに来るの怖くなかったんですかって」
『うん』
「そしたらね、君から助けてって聞こえた気がしたから怖いとか言ってられない、って」
『…』
「僕も、…そんな人になりたい」
俺は、俺の肩くらいにある大吾の頭をそっと撫でた。
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作者名:ash | 作成日時:2019年3月7日 23時