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nozomu▷▷





Aさんは最初から特別だった。



だって、俺と普通に接してくれたから
俺と普通の友達になってくれたから
どういう人なのか、純粋に気になる人だったから。



…違う意味の特別になるには早すぎるだろうか



でもあんな笑顔を見せられて好きになるなという方が難しいし、そんなことを言ってくる奴は1回彼女の笑顔をくらわせたい。

絶対落ちるから。

いや、やっぱり関係ない奴に簡単に見せたくない。




『ほんまに呼んでくださいね?すぐ行きますから』

「じゃあ本当に困ったら連絡しますね」




まるで空回り

Aさんはサラリとかわしていく。



今までなら、迎えに行くなんて言ったらすぐ連絡してくる人が多かったし、まずそもそも俺から迎えに行きますなんてよっぽどの事が無い限り言わなかった。



隣で 「ありがとうございます 」と前を見て歩きながら少しはにかむAさんは、どうにも俺を必死にさせる。



少しでもこっちを見て欲しくなって
俺はこんなにも余裕が無かったかと驚く。




人見知りはしない性格だし、こんな風に歩いている間とか待ち時間とか、退屈にさせないように話題を振る事も得意なのに


Aさんを家まで送り届ける間、何て言ったら良いのか分からなくなって


聞きたいことは山ほどあるはずなのに、なぜか1文字も出なくなってしまって8割が沈黙。





「もうこの角曲がったら家なので、ここで大丈夫です」

『あ、はい』

「小瀧くんも仕事で疲れてるのにありがとうございました」

『いえ!ほんまに全然、そんな…』





無駄にデニムの後ろポケットに手を出し入れしてしまって落ち着かない。


いつもの俺だったらここで引き止めて、ホテルでも何でも行っていただろうし、なんなら腕を引いてキスくらいしてたと思う。




…なのに、何やねんコレ、





「じゃあ…おやすみなさい」

『あ、あのっ』





『Aさんと友達になれて嬉しかったです…!』





小学生の原稿用紙縦書きの感想文か。





「はは、私も嬉しいですよ
これからよろしくね、小瀧くん」





あぁ、もう、あかん

好きかもしらん





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作者名:ash | 作成日時:2019年3月7日 23時

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